ザルツブルク・フォーラム（SF）

概要
加盟国
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概要

ザルツブルク・フォーラム（SF: Salzburg Forum）は、オーストリア、ブルガリア、クロアチア、チェコ共和国、ハンガリー、ポーランド、ルーマニア、スロバキア、スロベニアからなるオーストリア連邦内務省の主導による中欧の安全保障パートナーシップである。

（ザルツブルクは、オーストリア中北部の都市で、同名のザルツブルク州の州都である）

西バルカン諸国およびモルドバ (パートナー)を友好国グループと位置付けている。オブザーバーは現時点ではないが、2006年からEUに加盟するまでの間、クロアチアはザルツブルク・フォーラムのオブザーバーの地位を有していた。

第1回ザルツブルクフォーラム閣僚会議は、2000年8月15日-16日にフシュル・アム・ゼーで開催された。この会議には、創設国であるオーストリア、チェコ共和国、ハンガリー、ポーランド、スロバキア、スロベニアの6か国の内務大臣と、欧州委員会のアントニオヴィトリーノ司法・内務担当委員が参加した。

活動経緯

フェーズ I: 地域協力の強化、EU加盟の準備 (2000-2004)

2000年にザルツブルクフォーラムが政治的に設立されて以来、国内安全保障の分野における地域協力の戦略的かつ運用的な実施に重点が置かれるようになった。

この時期の主な目的には2つあり、ひとつは、中欧の国内治安分野における政治・運用レベルでの協力を強化することであった。協力の形態として、共同警察協力センターの設立や警察連絡官の配置が含まれた。

2000年にザルツブルク・フォーラムが設立された際、オーストリアはザルツブルク・フォーラムの創設メンバーの中で唯一のEU加盟国だった。そのため、もうひとつの目的として、例えば「PHAREツインニング2003移民およびビザ政策」のような双子プロジェクトの枠組みの中で、他のザルツブルク・フォーラムのパートナー国のEU加盟に向けた準備支援を行うことだった。

フェーズⅡ: EU内での協力(2004-2006)

2004年、チェコ共和国、ポーランド、スロバキア、スロベニア、ハンガリーがEUに加盟した。SF加盟国すべてが EU加盟国となったことで協力の焦点が変わった。例えばJHA理事会の枠組み内やSF加盟国のいずれかがEU理事会議長国を務める場合など、EU内での協力がSFの中心的機能の1つとなった。

2003年にザルツブルクで、SF加盟国はSF議長国を6か月ごとにアルファベット順に交代することを決定した。

フェーズⅢ: SF MSの共通対外戦略、友好国グループ (2006-2010)

2006年、ルーマニアとブルガリアがEU加盟国となり、ザルツブルク・フォーラムに加盟した。クロアチアはザルツブルク・フォーラムのオブザーバー資格を与えられた。

バルカン諸国が、ザルツブルク・フォーラムの活動に参加することを望んでいたため、第三国との運用上および政治的な協力の強化を目的に、対外的側面が定義された。2006年のブルドでの閣僚会議にて、ザルツブルク・フォーラム加盟国が共通の対外戦略を採択した。

2007年、ザルツブルク・フォーラム加盟国は、共通の対外戦略に基づいてザルツブルク・フォーラムの友好国グループ（Group of Friends of the Salzburg Forum）を設立した。それ以来、西バルカン諸国は、ザルツブルク・フォーラムの閣僚会議へ定期的に招待されることとなった。

フェーズⅣ: SF (2010-2020)

2010年、ザルツブルク・フォーラム加盟国は、今後10年間のロードマップを示す「ザルツブルク・フォーラム・ビジョン2020」を採択した。

そこでの主要活動事項は次の通り（次節にて詳細説明）。

EU内での協力とロビー活動
地域協力
第三国との協力

2012年、クロアチアはザルツブルク・フォーラムの加盟国になった。

活動形態

ザルツブルク・フォーラムの当初の目的は、国内安全保障の分野における地域協力を強化し、ザルツブルク・フォーラムのパートナーのEU加盟準備を支援することであった。現在、協力は次の3つのレベルに重点を置いている。

EU内での協力とロビー活動
- 例：SF加盟国のEU議長国期間中、JHA地域の将来の開発に関する協力
地域協力
- 例：警察協力センター、運用専門家会議、ワーキンググループ（証人保護、交通安全など）
第三国との協力
- 例：不法移民対策における出身国との協力

主に国内安全保障の分野における協力体制を推進してきた。

内務分野におけるEUの政策
不法移民
亡命
警察の捜査協力
情報交換
主要イベント警護
証人保護
交通取り締まり
麻薬対策
警察の訓練
危機管理

組織

議長国（Chairmanship）：任期半年の持ち回り
３か国議長国制（Trio presidency）：18か月の作業プログラムで共通目標を定義
閣僚会議（Ministerial conferences）：年2回

議長国
設立当初から2007年1月までは、ザルツブルク・フォーラムの議長国は発起国オーストリアが務めていた。2004年にブルガリア、チェコ共和国、ハンガリー、ポーランド、スロバキア、スロベニアがEUに加盟する前に、ザルツブルク・フォーラム加盟国はアルファベット順に6か月間持ち回りで議長を務めることに合意した。

３か国議長国制
「SFビジョン2020」により、新たな調整システムとして「３か国議長国制」が確立された。3か国が議長国を務め、18か月の作業プログラムで共通の目標を定義する。こうすることで議長が交代するにもかかわらず、ザルツブルク・フォーラムの活動に一貫性と継続性を持たせることができる。これは、2007年に導入された欧州連合理事会の機能モードを反映したものになっている。3か国による議長国制により、より長期的な優先事項と戦略を特定し、策定することが可能になる。

閣僚会議
ザルツブルク・フォーラム閣僚会議は、年に少なくとも2回開催される。ザルツブルク・フォーラムの議長国は、それぞれ自国で閣僚会議を1回開催する。必要ある場合、オーストリアがザルツブルク・フォーラム閣僚夏季会議を開催することがある。

Salzburg Forum

加盟国

時期	状況	メンバーシップ
2000	創設	オーストリア、チェコ共和国、ポーランド、スロバキア、スロベニア、ハンガリー
2006.10	新規加盟	ブルガリア、ルーマニア
2012	新規加盟	クロアチア（2006年からオブザーバー）