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アマゾン協力条約機構(ACTO)

アマゾン協力条約機構(ACTO) 分類する

概要

アマゾン協力条約機構(ACTO)は、アマゾン流域の持続可能な開発の促進を目的とした国際機関である。加盟国は、ボリビア、ブラジル、コロンビア、エクアドル、ガイアナ、ペルー、スリナム、ベネズエラといったアマゾン流域に立地する8つの国々である。

  • 英語:ACTO, Amazon Cooperation Treaty Organization
  • ポルトガル語: OTCA, Organização do Tratado de Cooperação Amazônica

1978年7月3日にアマゾン協力条約(ACT)が調印され、1998年に改正された。ACTOは条約の実施を強化するために1995年に設立された。その後、常設事務局は2002年にブラジルのブラジリアに設置された。

ACTO常設事務局(PS/ACTO)の主な役割と機能は、アマゾン協力条約の任務を遂行するために、ACTO加盟国間の情報交換、知識、協力、共同事業を促進することである。

ACTO の活動は、ACT の枠組み内で、地域の経済、政治、環境、社会の現状に応じて、アマゾン諸国の中期的優先事項を特定するアマゾン戦略協力アジェンダ (ASCA)に基づいて行われる。

ベレン宣言

2023年8月にブラジルのベレンで開催された第4回アマゾン協力条約機構(ACTO)首脳会議で、「ベレン宣言」が発表された。❶先住民や地域社会の権利保護、❷生物多様性の保全、❸伝統的知識の尊重を訴え、協力して具体的な取り組みを実施するために採択された。

 ベレン宣言の主な項目は次の通り。

  • 森林破壊の防止
  • 先住民の権利保障
  • 生物多様性の保全
  • 持続可能な開発
  • 科学に基づいた政策決定
  • 国際協力の強化
  • 科学に基づいた政策決定

第4回首脳会議開幕前に、2030年までに森林破壊を終わらせることを共通の目標にする旨を呼びかけていたものの、結果として、理想にとどまり、目標としての合意には至らなかった。

代替策として、ACTO加盟各国は、共通の枠組みをつくり、協力体制を強めていく一方で、各国ごとの独自の目標を追求していくことにした。

ビジョン・ミッション・目標

ビジョン

アマゾン地域のビジョン

「アマゾン地域の資源の利用、保護、保全を調和させ、総合的な持続可能な開発、政府のさまざまなレベルにおける国家の効果的な存在、および現行の国内法と国際協定の枠組みの中で権利と義務を完全に行使するアマゾンの住民を確保する公平な条件で、アマゾン地域の持続可能な開発を達成する。」

ACTOの未来のビジョン

「完全な主権、自然への敬意と調和、総合的な持続可能な開発、地域諸国間の非対称性の削減という原則に基づき、アマゾンに関連する国際的議題のトピックに関する地域協力、議論と立場、経験の共有における基準として、加盟国内および国際環境において国際的に認められている組織となる」

ミッション

  • 加盟国間の地域的非対称性をその活動を通じて削減する
  • 社会経済的進歩のための国家プロセスに協力し、これらの広大な領土を国家経済に徐々に組み入れることを可能にする
  • アマゾンの住民の生活の質を向上させるための地域協力活動を促進し、自然と環境と調和した持続可能な開発と持続可能な生活の原則に基づいて活動する
  • 加盟国の国内法を考慮するという原則に基づいた、永続的な協力、交流、情報フォーラムとなる

戦略目標

  • 加盟国間の交流と協力を促進し、地域における戦略的な持続可能な開発と持続可能な生計を促進して、脆弱な人々、先住民族、その他の部族社会に重点を置き、その住民の生活の質を向上させる
  • 加盟国の利益と主権が尊重され、促進されることを確保する
  • アマゾンの森林、生物多様性、水資源を保全、保護、保全し、持続可能な形で利用するための活動を促進する
  • 自然と環境を尊重し、調和しながらアマゾンの資源管理を推進する
  • アマゾンの文化を促進、普及し、先祖代々の知識と知恵、そして現代の知識と知恵を尊重し、保護する取り組みを推進する
  • 脆弱な人々、先住民族、その他の部族社会に特に注意を払いながら、アマゾンの住民の発展に向けた加盟国の計画とプログラムの調整を促進する

加盟国

時期状況メンバーシップ
1995創設ボリビア、ブラジル、コロンビア、エクアドル、ガイアナ、ペルー、スリナム、ベネズエラ
オブザーバー
フランス、コンゴ民主共和国、コンゴ共和国、インドネシア

ボリビア多民族国
Plurinational State of Bolivia

  • 国土面積は1,098,581km2(日本の約3倍)で世界27位、人口は1,167万人で世界80位
  • 立憲共和制、大統領が国家元首で行政府の長、多民族立法議会は上院と代議院(下院)の二院制
  • 名目国内総生産(GDP)は世界91位、購買力平価(PPP)で世界92位
ボリビア多民族国 Plurinational State of Bolivia

●首都
ラパス
(憲法上の首都はスクレ)

ブラジル ブラジル連邦共和国
Federative Republic of Brazil

  • ラテンアメリカ最大の領土・人口を擁する国家で、面積は世界第5位、人口は世界第5位
  • 大統領制を敷き、大統領を元首とする連邦共和制
  • 南北アメリカ大陸で唯一のポルトガル語圏の国
ブラジル連邦共和国  Federative Republic of Brazil

●首都
ブラジリア

コロンビア共和国
Republic of Colombia

  • 国土面積は1,141,000km2(日本の約3倍)で世界25位、人口は5,088万人で世界29位
  • 立憲共和制、直接選挙で選出される大統領が国家元首、上院・下院の二院制
  • 名目国内総生産(GDP)は世界44位、購買力平価(PPP)で世界31位
コロンビア共和国 Republic of Colombia

●首都
ボゴタ

エクアドル共和国
Republic of Ecuador

  • 国土面積は283,560km2(本州と九州を合わせた広さ)で世界71位、人口は1,764万人で世界67位
  • 共和制、直接選挙で選出される大統領が国家元首で行政府の長、国民議会の一院制
  • 名目国内総生産(GDP)は世界63位、購買力平価(PPP)で世界64位
エクアドル共和国 Republic of Ecuador

●首都
キト

ガイアナ共和国
Republic of Guyana

  • 国土面積は214,970km2(本州よりやや小さい)で世界81位、人口は79万人で世界160位
  • 立憲共和制、各党の候補者名簿より選出される大統領が国家元首、国民議会の一院制
  • 名目国内総生産(GDP)は世界148位、購買力平価(PPP)で世界160位

ペルー共和国
Republic of Peru

  • 国土面積は1,285,220km2(日本の約3.4倍)で世界19位、人口は3297万人で世界39位
  • 立憲共和制、直接選挙で選出される大統領が国家元首、共和国議会の一院制
  • 名目国内総生産(GDP)は世界49位、購買力平価(PPP)で世界46位
ペルー共和国 Republic of Peru

●首都
リマ

スリナム共和国
Republic of Suriname

  • 国土面積は163,270km2(日本の約2分の1)で世界90位、人口は587,000人で世界166位
  • 立憲共和制、議会の3分の2以上の賛成によって選出された大統領が国家元首、国民議会の一院制
  • 名目国内総生産(GDP)は世界162位、購買力平価(PPP)で世界153位
スリナム共和国 Republic of Suriname

●首都
パラマリボ

ベネズエラ・ボリバル共和国
Bolivarian Republic of Venezuela

  • 国土面積は916,445km2(日本の約2.4倍)で世界32位、人口は2844万人で世界50位
  • 連邦共和制、直接選挙で選出された大統領が元首、大統領自身が行政府の長として内閣を統率、1999年憲法により国民議会の一院制
  • 名目国内総生産(GDP)は世界94位、購買力平価(PPP)で世界81位
ベネズエラ・ボリバル共和国 Bolivarian Republic of Venezuela

●首都
カラカス

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参考リンク

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