概要
マノ川同盟（MRU: Mano River Union）は、貿易の促進、コミュニティの強化、豊かな文化を通じて、この地域の人々の生活を向上させることを目的にして、1973年10月3日の「マノ川宣言」によってリベリアとシエラレオネの間で最初に設立された国際連合である。ギニア高原に始まり、リベリアとシエラレオネの国境を形成するマノ川にちなんで名付けられた。
現在の加盟国は、リベリア、シエラレオネ、ギニア、コートジボワールの4か国で、事務局はシエラレオネのフリータウンにある。
日本語名として、「マノ川連合」とされる場合もある。
設立・活動経緯
マノ川同盟（MRU）は1973年、リベリアのウィリアム・トルバート政権と、シエラレオネのシアカ・スティーブンス政権の間で合意・設立された。1980年にはギニアが加入したものの、シエラレオネ内戦[1991-2002]、第一次リベリア内戦[1989-1997]、第二次リベリア内戦[1999-2003]が勃発し、同盟は機能停止を強いられた。
職員数は1986年には600人であったが、1993年には300人に減少し、その後120人、2000年には48人に減少した。
しかし、両国の内戦が終結したのを受け、2004年5月20日、ギニアのランサナ・コンテ、シエラレオネのアフマド・テジャン・カバー、リベリアのジュデ・ブライアントの3首脳が会談し、正式に再開された。その後、2008年4月1日にコートジボワールがリベリアのエレン・ジョンソン・サーリーフ大統領の要請によって同盟に加入した。
2004年5月20日、マノ川連合諸国の3人の指導者、ギニアのランサナ・コンテ大統領、シエラレオネのアフマド・テジャン・カバー大統領、リベリアのギュデ・ブライアント議長による首脳会談で連合が再活性化した。2008年5月15日、コートジボワールが連合に加盟することに合意した。
目的
マノ川同盟（MRU）の目標は、「経済、社会、技術、科学、行政の分野で共通の関心事項について積極的な協力と相互援助を行うことにより、両国の経済成長、社会進歩、文化の発展を促進すること」である。
- 平和と安全
- すべての人に安定と安全を確保する
- 社会と文化の発展
- 人々の生活を豊かにする
- 良好なガバナンス
- 民主主義の原則と国民参加を促進する
- 経済統合
- 貿易、産業、雇用創出を活発にする
活動内容
経済発展と地域統合
加盟国間で多層的な行動を生み出し、4か国にわたる経済発展と地域統合を支援することを目指す。現在の戦略計画では、MRUは次のことを目指して行動を立案している。
- 貿易円滑化
- 農業と食糧安全保障
- 天然資源管理
- インフラ開発
健康、幸福、コミュニティ
MRU地域は、エボラ出血熱の流行やCOVID-19パンデミックなど、多くの課題に直面している。これらの危機は、地域内の人々の健康と幸福を守るために協力することがいかに重要であるかを示している。より強固なコミュニティを構築するために、MRUは次のことに重点を置く。
- ヘルスケアの改善
- ジェンダーエンパワーメント
- 女性のエンパワーメント
- 若者のエンパワーメント
- 教育、啓発、トレーニング
平和、安全、民主的な統治
この重要な目標を追求するため、MRU は加盟国全体の平和、安全、民主的統治を支援し、構造的問題と国境の安全が強化されるとともに、各加盟国が民主的プロセスを地域全体の政治的、経済的安定を保証できるレベルまで発展させることを目指す。現在の戦略計画では、次の行動が計画されている。
- 国境の安全と管理
- 民主的な統治と
- 災害への備えと対応
組織の発展
MRU は、その目標を効果的に達成するために、内部能力の強化に取り組んでいる。これには、地域が変化するニーズを満たすためにスタッフ、リソース、インフラストラクチャを調整することが含まれる。加盟国と緊密に連携して安定と成長を促進する、地域を代表する組織として高い評価を得ることを目指している。
主な取り組みは以下の通り。
- 可視性とパートナーエンゲージメントを強化
- 制度的調整の改善
- スタッフの能力と知識管理を強化
注）⇩公式サイトは、最初に英語/仏語の選択から始まる
加盟国
| 時期 | 状況 | メンバーシップ |
|---|---|---|
| 1973.10.3 | 設立 | リベリア、シエラレオネ |
| 1980 | 新規加盟 | ギニア |
| 2008.5.15 | 新規加盟 | コートジボワール |
リベリア共和国
Republic of Liberia
- 国土面積は111,370km2（日本の約3分の1）で世界101位、人口は526万人で世界121位
- 共和制、直接選挙で選出される大統領が国家元首で行政府の長、上院・下院の二院制
- 名目国内総生産（GDP）は世界160位、購買力平価（PPP）で世界163位
●首都
モンロビア
シエラレオネ共和国
Republic of Sierra Leone
- 国土面積は71,740km2（日本の約5分の1）で世界116位、人口は798万人で世界102位
- 共和制、直接選挙で選出される大統領が国家元首で行政府の長、議会は一院制
- 名目国内総生産（GDP）は世界155位、購買力平価（PPP）で世界151位
●首都
フリータウン
ギニア共和国
Republic of Guinea
- 国土面積は245,857km2（本州とほぼ同じ）で世界75位、人口は1313万人で世界74位
- 共和制、直接選挙で選出される大統領が国家元首、首相・閣僚は大統領が任命し閣僚人事案は首相が推薦する、国民議会の一院制、現在は軍事クーデターにより憲法が停止中
- 名目国内総生産（GDP）は世界123位、購買力平価（PPP）で世界147位
●首都
コナクリ
コートジボワール共和国
Republic of Cote d’Ivoire
- 国土面積は322,436km2（日本の約0.9倍）で世界67位、人口は2887万人で世界53位
- 共和制、直接選挙で選出される大統領が国家元首で行政府の長、元老院（上院）・国民議会（下院）の二院制
- 名目国内総生産（GDP）は不明、購買力平価（PPP）も不明
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