- 概要
- 加盟国
- イラン・イスラム共和国
Islamic Republic of Iran - イラク共和国
Republic of Iraq
جمهورية العراق - クウェート国
State of Kuwait - サウジアラビア王国
Kingdom of Saudi Arabia - ベネズエラ・ボリバル共和国
Bolivarian Republic of Venezuela - リビア国
State of Libya - アラブ首長国連邦
United Arab Emirates - アルジェリア民主人民共和国
People’s Democratic Republic of Algeria - ナイジェリア連邦共和国
Federal Republic of Nigeria - ガボン共和国
Gabonese Republic - 赤道ギニア共和国
Republic of Equatorial Guinea - コンゴ共和国
Republic of Congo
- イラン・イスラム共和国
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- 参考リンク
概要
石油輸出国機構(OPEC:Organization of the Petroleum Exporting Countries)は、メジャーと呼ばれた国際石油資本に、産油国として共同して対抗することを目的として、1960年にイラン、イラク、クウェート、サウジアラビア、ベネズエラの5か国によって、イラクの首都バグダッドで結成された。
その後、原加盟国に加えてリビア、アラブ首長国連邦、アルジェリア、ナイジェリア、ガボン、赤道ギニア、コンゴ共和国の7か国を加えた12か国となっている。現在の本部はオーストリアのウィーンにある。
1973年の第四次中東戦争に際しては、アラブ諸国が中心となってイスラエル支持国への石油禁輸措置を打ち出し石油市場での発言権を確保するとともに、石油価格の大幅引き上げを実現し、1980年代半ばまで国際カルテルとして大きな影響力を行使した。
1980年代になって、OPECに属さない産油国からの石油が増産されるようになり、また消費国で石油先物市場が開設、1986年からは石油価格の決定権は自由市場へと移っていったため、OPECは各国に生産量を割り当てる生産調整を開始し、需給調整を通じて石油価格の維持を図るようになった。
さらに2010年頃から、米国を中心としたシェールオイルの生産が増加して需給が一層緩和すると、OPECに属さないロシアやメキシコなど10か国とも協調して需給調整を行って石油価格の安定を目指すOPECプラス(OPEC+)という枠組みを2016年に設定して、石油価格への産油国の影響力の維持を図っている。
OPEC原油のシェアは、1970年代に石油戦略を発動した際には、世界の50%を超えていたが、その後1980年代には20%台まで低下し、その後やや回復して現在では30%台で低迷している。OPECプラスに参加している非OPEC産油国10か国の生産量は合計で世界の20%前後であるため、OPECプラスは産油国共通の利益を追求するための新たな枠組みへの試みともいえる。
目的
- 加盟国の石油政策の調整及び一元化
- 加盟国の利益を個別及び全体的に守るため最良の手段の決定
- 国際石油市場における価格の安定を確保するための手段を講じること
- 生産国の利益のための着実な収入の確保
- 消費国に対する石油の効率的・経済的かつ安定的な供給
- 石油産業における投資に対する公正な資本の見返りの確保
加盟の要件
- 加盟国と基本的利害を同じくする
- 相当量の原油純輸出国である
- 原加盟国の全てを含む加盟国の4分の3が賛同する
但し、加盟資格がなくても原加盟国全てを含む加盟国の4分の3以上の賛同がある場合、準加盟国となれる。
組織
- 総会(The Conference)
- 理事会(The Board of Governors)
- 事務局(The Secretariat)
- 各委員会
- 閣僚監視委員会
- 経済委員会
- 協議会
加盟国
※ 太字は現加盟国
時期 | 状況 | メンバーシップ |
---|---|---|
1960 | 創立 | イラン、イラク、クウェート、サウジアラビア、ベネズエラ |
1961 | 新規加盟 | カタール |
1962 | 新規加盟 | リビア、インドネシア |
1967 | 新規加盟 | アラブ首長国連邦(当時アブダビ) |
1969 | 新規加盟 | アルジェリア |
1971 | 新規加盟 | ナイジェリア |
1973 | 新規加盟 | エクアドル |
1975 | 新規加盟 | ガボン(1973年から準加盟国、1995年1月に脱退、2016年7月に再加盟) |
1992 | 脱退 | エクアドル |
2007 | 再加盟 | エクアドル |
加盟 | アンゴラ | |
2008 | 脱退 | インドネシア |
2016 | 再加盟/脱退 | インドネシア |
2017 | 新規加盟 | 赤道ギニア |
2018 | 新規加盟 | コンゴ共和国 |
2019 | 脱退 | カタール |
2020 | 脱退 | エクアドル |
2023 | 脱退 | アンゴラ |
OPECプラス(OPEC加盟国に加え、アゼルバイジャン、バーレーン、ブラジル、ブルネイ、カザフスタン、マレーシア、メキシコ、オマーン、ロシア、スーダン、南スーダンの11か国)
イラン・イスラム共和国
Islamic Republic of Iran
- 国土面積は、1,648,195km2(日本の約4.4倍)で世界17位、人口は8676万人で世界17位
- 立憲イスラム共和制、専門家会議が選出する最高指導者が国家元首、大統領は最高指導者の専権事項以外で、執行機関たる行政府の長として憲法に従って政策を執行、イスラム議会の一院制
- 名目国内総生産(GDP)は世界21位、購買力平価(PPP)で世界18位
●首都
テヘラン
イラク共和国
Republic of Iraq
جمهورية العراق
- 国土面積は、437,072km2(日本の約1.2倍)で世界57位、人口は40,222,503人で世界36位
- 共和制、国家元首は共和国大統領および2人の副大統領で構成される大統領評議会(スンナ派 、シーア派、クルド人から各1名ずつが立法府により選出)、議院内閣制、国民議会の一院制
- 名目国内総生産(GDP)は世界52位、購買力平価(PPP)は世界36位
●首都
バグダード
クウェート国
State of Kuwait
- 国土面積は17,820km2(四国とほぼ同じ)で世界152位、人口は427万人で世界127位
- 首長制(憲法によって立憲君主制が定めらているが、実態はサバーハ家ジャービル家)の一族独裁による事実上の絶対君主制)、首長・国民議会・内閣があるが、首長が国民議会の解散権と内閣任命権を持つ
- 名目国内総生産(GDP)は世界位、購買力平価(PPP)で世界52位
●首都
クウェート
サウジアラビア王国
Kingdom of Saudi Arabia
- 国土面積は2,149,690km2 で世界13位、人口は3481万4000人で世界41位
- 中東に位置するサウード家による絶対君主制国家、ワッハーブ主義に基づく厳格なイスラム教義を国の根幹としており政教一致体制
- 世界2位の原油埋蔵量を持ち、世界最大級の石油輸出国
●首都
リヤド
ベネズエラ・ボリバル共和国
Bolivarian Republic of Venezuela
- 国土面積は916,445km2(日本の約2.4倍)で世界32位、人口は2844万人で世界50位
- 連邦共和制、直接選挙で選出された大統領が元首、大統領自身が行政府の長として内閣を統率、1999年憲法により国民議会の一院制
- 名目国内総生産(GDP)は世界94位、購買力平価(PPP)で世界81位
●首都
カラカス
リビア国
State of Libya
- 国土面積は1,759,540km2(日本の約4.6倍)で世界17位、人口は699万人で世界104位
- 内戦中だが2021年に代議院と国民合意政府との合意により、国民統一政府が発足、元首は大統領評議会議長、代議院の一院制
- 名目国内総生産(GDP)は世界90位、購買力平価(PPP)で世界92位
●首都
トリポリ
アラブ首長国連邦
United Arab Emirates
- 国土面積は83,600km2(日本の約4分の1。北海道程度)で世界113位、人口は937万人で世界91位
- 7首長国による連邦制、各首長国は世襲の首長による絶対君主制、最高意思決定機関は連邦最高評議会(FSC、Federal Supreme Council)、国家元首である大統領、および首相を兼任する副大統領はFSCにより選出、実際には大統領はアブダビ首長のナヒヤーン家、副大統領はドバイ首長のマクトゥーム家が世襲により継ぐのが慣例化
- 名目国内総生産(GDP)は世界34位、購買力平価(PPP)で世界32位
●首都
アブダビ
アルジェリア民主人民共和国
People’s Democratic Republic of Algeria
- 国土面積は2,381,740km2(アフリカ最大)で世界10位、人口は4385万人で世界34位
- 共和制、直接選挙で選出される大統領が国家元首、大統領が首相を任命、上院・下院の二院制
- 名目国内総生産(GDP)は世界56位、購買力平価(PPP)で世界33位
●首都
アルジェ
ナイジェリア連邦共和国
Federal Republic of Nigeria
- 国土面積は923,768km2(日本の約2.5倍)で世界31位、人口は2億1140万人で世界7位
- 連邦共和制、直接選挙で選出される大統領が国家元首で行政府の長、元老院(上院)・代議院(下院)の二院制
- 名目国内総生産(GDP)は世界26位、購買力平価(PPP)で世界23位
●首都
アブジャ
ガボン共和国
Gabonese Republic
- 国土面積は267,667km2(日本の約3分の2)で世界74位、人口は223万人で世界143位
- 共和制、直接選挙で選出される大統領が国家元首で行政府の長、内閣の代わりに閣僚評議会、元老院(上院)・国民議会(下院)の二院制、2023年8月30日にクーデターが発生、制度移行・回復委員会が政権掌握
- 名目国内総生産(GDP)は世界119位、購買力平価(PPP)で世界117位
●首都
リーブルヴィル
赤道ギニア共和国
Republic of Equatorial Guinea
- 国土面積は28,051km2(四国の約1.5倍)で世界141位、人口は168万人で世界154位
- 共和制、直接選挙で選出される大統領が国家元首で行政府の長、内閣の代わりに閣僚評議会、大統領の職務代行のための国家評議会がある、2012年より上院と下院(人民代表院)の二院制
- 名目国内総生産(GDP)は世界140位、購買力平価(PPP)で世界128位
●首都
マラボ
コンゴ共和国
Republic of Congo
- 国土面積は342,000km2(日本の約0.9倍)で世界62位、人口は552万人で世界116位
- 共和制、直接選挙で選出される大統領が国家元首で半大統領制、上院と国民議会(下院)の二院制
- 名目国内総生産(GDP)は世界141位、購買力平価(PPP)で世界124位
●首都
ブラザヴィル
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