- 概要
- 加盟国
- オーストリア共和国Republic of Austria
- ブルガリア共和国Republic of Bulgaria
- クロアチア共和国Republic of Croatia
- チェコ共和国Czech Republic
- エストニア共和国Republic of Estonia
- ハンガリーHungary
- ラトビア共和国Republic of Latvia
- リトアニア共和国Republic of Lithuania
- ポーランド共和国Republic of Poland
- ルーマニアRomania
- スロバキア共和国Slovak Republic
- スロベニア共和国Republic of Slovenia
- ギリシャ共和国Hellenic Republic
- オブザーバー
- あわせて読みたい
- 参考リンク
概要
三海域イニシアチブ(3SI: Three Seas Initiative)は、バルト海、黒海、アドリア海地域における欧州連合(EU)に属する中・東欧13か国の経済協力枠組みで、2016年から首脳会合を毎年開催している。
名称については、「バルト・アドリア・黒海イニシアチブ(Baltic, Adriatic, Black Sea (BABS) Initiative)」や単に「三海(ラテン語:Trimarium、ポーランド語:Trójmorze )」と表記されることもあり、略称は標題の「3SI」の他、「TSI」「I3M」も見られる。
2016年、当初の加盟国12か国(オーストリア、ブルガリア、クロアチア、チェコ共和国、エストニア、ハンガリー、ラトビア、リトアニア、ポーランド、ルーマニア、スロバキア、スロベニア)の代表がクロアチアのドゥブロヴニクで第1回首脳会談を行った。
2022年6月20日にリガで行われた第7回首脳会談で、ウクライナは3SIのパートナー参加者の地位を獲得し、事実上このイニシアチブの参加者となった。2023年の首脳会談では、ギリシャが加盟国となり、モルドバがパートナー参加者となった。
設立経緯
「ミェンズィモジェ(ポーランド語: Międzymorze)」は、かつてのポーランド=リトアニア共和国構成国の政治家たちに提唱されてきた中東欧の統一計画であり、提唱された多国政体はその領域をバルト海から黒海にまで広げることになるため、ラテン語で「海洋間の」という意味のインテルマリウム(Intermarium)という名前でも呼ばれてきた。
これに影響を受けた「三海構想」が後の3SIの起源となる。
歴史的経緯と時代背景から、この地域のインフラ整備の遅れは相当深刻なものであった。冷戦時代、「鉄のカーテン」により交通が東西軸で分断され、この地域の自然開発、経済成長、および国際的団結を半世紀にわたって阻害した。
西ヨーロッパ諸国は道路や鉄道、送電線、石油およびガスのパイプラインで結ばれているが、中央および東ヨーロッパ諸国は近代的インフラの面で比較的孤立したままである。その不足は、この地域の南北軸に沿って特に深刻である。
2014年、米国のシンクタンクであるアトランティック・カウンシルが「ヨーロッパの完成」と題する報告書で、欧州の発展格差に注目が集まった。これに触発されて、当時の2か国の首脳、クロアチアのコリンダ・グラバル=キタロヴィッチ大統領とポーランドのアンジェイ・ドゥダ大統領がイニシアチブを立ち上げ、ビジネス界・政界の要人や有力者が続々と参加するようになったのが3SIである。
目的
フォーラム立ち上げの背景には、「国境を越えた関与と国際協力なしには相互のつながりは不可能であり、安全で長期的かつ相互に利益のある協力関係を確立し、強化する必要がある」という認識がある。
三海洋イニシアティブは単なるフォーラム(会合)ではなく、現代の分野横断的なインフラの強力なバックボーンを構築し、幅広い分野で地域社会の協力を促進することを可能にするビジョンと協力モデルとされる。
欧州連合(EU)の共同政策にもかかわらず、20世紀後半に中東欧の地に生じた格差は未だ埋められていない。インフラ、エネルギー、デジタル分野への投資不足は、長年にわたり1兆1500億ユーロにまで拡大していると推定されている。
この投資不足を埋めるべく、2019年、ルーマニア中央銀行とルーマニア輸出入銀行は、三海イニシアチブ投資基金の設立協定に署名し、スリー・シーズ・イニシアティブ投資ファンド(3SIIF)が立ち上げられた。このファンドは、三海地域の交通、エネルギー、デジタルインフラを構築するプロジェクトに焦点を当てている。
代表的な2つの大規模なインフラ計画は以下の通り。
- リトアニアのクライペダから、ギリシアのテッサロニキまでの南北を繋ぐハイウェイ「ヴィア・カルパティア」
- ポーランドとクロアチアの海上ターミナルパイプラインと接続する、液化天然ガス施設の建設
その他、公式サイトに記載のある目的あるいは活動指針めいたもののリストは以下の通り。
- ロシア連邦によるウクライナに対する違法かつ残忍な侵略戦争の影響下で地政学的に再構成された近隣諸国との関係を定義する
- イニシアチブの活動に関心を示し、基準を満たした国々とともに、3SI拡大のプロセスを進める
- 3SI活動に対するさまざまな志を同じくする関係者の関心の高まりを踏まえ、日本、英国、フランスだけでなく、IMF、EBRD、EIB、OECDなどの関連国際機関からも高官をサミットの議事に招待する
- 交通、エネルギー、デジタルネットワークの分野で南北軸上の重要なインフラプロジェクトの開発を継続する
- イノベーション基金など、イニシアチブの新たな手段を開発する可能性を探る
- 民間投資の誘致と官民パートナーシップの発展
- 地域のサイバーレジリエンスとサイバーセキュリティを強化する
加盟国
| 時期 | 状況 | メンバーシップ |
|---|---|---|
| 2015 | 創設 | オーストリア、ブルガリア、クロアチア、チェコ共和国、エストニア、ハンガリー、ラトビア、リトアニア、ポーランド、ルーマニア、スロバキア、スロベニア |
| 2023 | 加盟 | ギリシャ |
| 時期 | 状況 | オブザーバー |
|---|---|---|
| 2022 | 参加 | ウクライナ |
| 2023 | 参加 | モルドバ |
オーストリア共和国
Republic of Austria
- 国土面積は、83,870km2 (北海道とほぼ同じ)で世界112位、人口は913万人で世界98位
- 連邦共和制で連邦大統領が国家元首、半大統領制、国民議会と連邦議会の二院制
- 名目国内総生産(GDP)は世界27位、購買力平価(PPP)で世界45位
●首都
ウィーン
ブルガリア共和国
Republic of Bulgaria
- 国土面積は、110,993.6km2 (日本の約3分の1)で世界102位、人口は695万人で世界105位
- 共和制で大統領が国家元首、国民議会の一院制
- 名目国内総生産(GDP)は世界69位、購買力平価(PPP)で世界75位
●首都
ソフィア
クロアチア共和国
Republic of Croatia
- 国土面積は、56,542km2(九州の約1.5倍)で世界124位、人口は411万人で世界128位
- 共和制で大統領が国家元首、2000年に半大統領制体制から議院内閣制へ、サボル (クロアチア議会)は2001年から一院制
- 名目国内総生産(GDP)は世界79位、購買力平価(PPP)で世界82位
●首都
ザグレブ
チェコ共和国
Czech Republic
- 国土面積は、7万8,866km2(日本の約5分の1)で世界115位、人口は1071万人で世界85位
- 共和制で議会選出の大統領が国家元首、元老院と代議院の二院制
- 名目国内総生産(GDP)は世界38位、購買力平価(PPP)で世界36位
●首都
プラハ
エストニア共和国
Republic of Estonia
- 国土面積は、45,226km2 (日本の約9分の1)で世界129位、人口は133万人で世界151位
- 共和制、大統領は議会によって選出、議会(リーギコグ)の一院制
- 名目国内総生産(GDP)は世界102位、購買力平価(PPP)で世界112位
●首都
タリン
ハンガリー
Hungary
- 国土面積は、93,030km2(日本の約4分の1)で世界107位、人口は966万人で世界93位
- 共和制で議会選出の大統領が国家元首、議院内閣制、国民議会 (Országgyűlés) の一院制
- 名目国内総生産(GDP)は世界54位、購買力平価(PPP)で世界58位
●首都
ブダペスト
ラトビア共和国
Republic of Latvia
- 国土面積は、64,589km2(日本のおよそ6分の1)で世界121位、人口は189万人で世界148位
- 共和制、大統領は議会で選出、議会 (サエイマ Saeima) の一院制
- 名目国内総生産(GDP)は世界95位、購買力平価(PPP)で世界105位
●首都
リガ
リトアニア共和国
Republic of Lithuania
- 国土面積は、65,300km2 で世界120位、人口は280万人で世界139位
- 共和制で国家元首の大統領は直接選挙で選出、セイマス(Seimas)と呼ばれる議会の一院制
- 名目国内総生産(GDP)は世界80位、購買力平価(PPP)で世界87位
●首都
ヴィリニュス
ポーランド共和国
Republic of Poland
- 国土面積は、312,679km2 (日本の約5分の4、日本から九州、四国を引いた程度)で世界70位、人口は3785万人で世界38位
- 共和制で大統領が国家元首、1997年の憲法改正により議院内閣制へ、セイム(議会)とセナト(元老院)の二院制
- 名目国内総生産(GDP)は世界22位、購買力平価(PPP)で世界24位
●首都
ワルシャワ
ルーマニア
Romania
- 国土面積は、238,391km2(本州とほぼ同じ)で世界78位、人口は1924万人で世界60位
- 共和制で大統領が国家元首、議院内閣制、下院(代議院)・上院(元老院)の二院制
- 名目国内総生産(GDP)は世界45位、購買力平価(PPP)で世界44位
●首都
ブカレスト
スロバキア共和国
Slovak Republic
- 国土面積は、49,036km2(日本の約7分の1)で世界126位、人口は546万人で世界115位
- 共和制で直接選挙による大統領が国家元首、スロバキア共和国国民議会の一院制
- 名目国内総生産(GDP)は世界62位、購買力平価(PPP)で世界69位
●首都
ブラチスラヴァ
スロベニア共和国
Republic of Slovenia
- 国土面積は、20,273km2(四国とほぼ同じ)で世界150位、人口は208万人で世界146位
- 共和制で直接選挙による大統領が国家元首、議院内閣制、下院(国民議会)・上院(国民評議会)の両院制
- 名目国内総生産(GDP)は世界83位、購買力平価(PPP)で世界97位
●首都
リュブリャナ
ギリシャ共和国
Hellenic Republic
- 国土面積は、131,957km2 (日本の約3分の1)で世界97位、人口は1042万人で世界86位
- 共和制で大統領が国家元首、議院内閣制、ギリシャ議会の一院制
- 名目国内総生産(GDP)は世界50位、購買力平価(PPP)で世界53位
●首都
アテネ
オブザーバー
ウクライナ
Ukraine
- 国土面積は603,700km2(日本の約1.6倍)で世界45位、人口は4373万人で世界33位(クリミア含む)
- 共和制、国家元首は直接選挙による大統領、半大統領制、大統領が任命する首相・閣僚人事は議会の承認が必須、最高議会の一院制
- 名目国内総生産(GDP)は世界57位(クリミアとセヴァストポリは除く)、購買力平価(PPP)で世界48位(クリミアとセヴァストポリは除く)



●首都
キーウ
モルドバ共和国
Republic of Moldova
- 国土面積は、33,846km2(九州よりやや小さい)で世界135位、人口は403万人で世界129位(トランスニストリア地域(沿ドニエストル共和国がある)を含む)
- 共和制、国家元首は直接選挙による大統領、大統領が首相を指名し議会の賛成多数の承認を得る、議院内閣制、議会は一院制
- 名目国内総生産(GDP)は世界135位、購買力平価(PPP)で世界142位
●首都
キシナウ
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参考リンク
注)⇩下記、外務省サイトのリンクは生きている


























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