概要
オーカス(AUKUS)とは、2021年9月15日に設立が発表された、オーストラリア(Australia)、英国(United Kingdom)、米国(United States)の3か国による軍事同盟(軍事パートナーシップ)である。
AUKUSの語は、この三国の頭文字を採って名付けられたものである。
AUKUS = Australia + United Kingdom + United States
インド太平洋地域で安全保障上の脅威を増す中国を念頭に置き、英米によるオーストラリアへの原子力潜水艦配備支援や安全保障に関するサイバーテクノロジーの強化などを主な目的としている。
潜水艦や自律型無人潜水機、長距離攻撃能力、敵基地攻撃能力などの軍事分野の連携に留まらず、サイバー戦争抑止を目的としたサイバーセキュリティ、AIの研究のみならず、量子コンピュータを用いた暗号化技術を念頭に置いた量子技術といった最先端テクノロジーの開発までを主要な対象としている。
このパートナーシップの創設により、フランスとオーストラリアの潜水艦契約が終了し、両国間の外交問題に発展し、2021年9月17日、フランスはオーストラリアと米国から大使を召還した事件は記憶に新しい。
外交・安全保障の観測筋は、AUKUSが、アメリカ・オーストラリア・ニュージーランド間で締結されているANZUS協定(オーストラリア・ニュージーランド・アメリカ安全保障条約、アンザス)の後継として位置づけられるものとみている。
なぜなら、現時点でニュージーランドは、「1987年:ニュージーランド非核地域・軍縮・軍備管理法」(非核法)によって原子力エネルギーの利用を禁止しており、原子力潜水艦配備ができないためである。今後、ニュージーランドがどのような形でAUKUSと関与していくことになるか、推移が見守られている。
なお、AUKUSは軍事面に焦点を合わせたものであり、このアメリカ・イギリス・オーストラリアの3か国に、カナダとニュージーランドを含む情報共有に関する枠組みであるファイブ・アイズ(UKUSA協定)とは別の枠組みによる運用となっている。
参加国
オーストラリア連邦
Australia
- 国土面積は7,692,024km2(日本の約20倍、アラスカを除く米とほぼ同じ)で世界6位、人口は2550万人で世界55位
- 立憲君主制・連邦制、イギリス国王・女王と同一人物であるオーストラリア国王が国家元首、上院・下院の両院制で議員内閣制
- 名目国内総生産(GDP)は世界13位、購買力平価(PPP)で世界19位
●首都
キャンベラ
イギリス(グレートブリテン及び北アイルランド連合王国)
United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland
- 立憲君主制(イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドという4つのカントリー(国)が、同君連合型の単一主権国家を形成)
- 議院内閣制のモデルとされるウェストミンスター・システム発祥の地、庶民院と貴族院の両院制
- 名目国内総生産(GDP)は世界5位、購買力平価(PPP)で世界9位
●首都
ロンドン
アメリカ合衆国
United States of America
- 国土面積は985万km2 で世界3位、総人口は約3億3,200万人で世界3位
- 大統領制の連邦共和国で、上院と下院の両院制、民主党と共和党の二大政党制
- 名目国内総生産(GDP)は世界1位、購買力平価(PPP)で世界2位
●首都
ワシントンD.C.
AUKUS(オーカス)が日本と技術協力する検討を始める
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