リンク切れを再構成し「企業会計基準委員会による会計基準」を更新しました
PR

ファイブ・アイズ(Five Eyes)

ファイブ・アイズ(Five Eyes) 分類する
ファイブ・アイズ(Five Eyes)

概要

ファイブアイズ(FVEY: Five Eyes)とは、オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、イギリス、アメリカの5か国が機密情報を共有する枠組みの呼称である。UKUSA協定(ユークーサ: United Kingdom-United States of America Agreement)に基づいており、締結国が5か国であることにちなんで「ファイブアイズ」と呼ばれている。

UKUSA協定とは、5か国の情報機関が世界中に張り巡らせたシギント (SIGINT) の設備や盗聴情報を相互利用・共同利用する為に結んだ協定である。

シギント(SIGINT)とは、「signal intelligence」からの造語で、通信を傍受して分析する、軍事・安全保障上の諜報活動の総称である。

UKUSA協定は、もともとは第二次世界大戦中に英米が対独および対日通信傍受のために作った情報共有の枠組み(BRUSA協定)を、1946年に冷戦に備えて目的と活動範囲を見直したものである。

実際には英米両国間の諜報協力は第二次世界大戦前に遡るが、UKUSA協定締結から数えても70年を超える歴史があり、国際情勢に様々な影響を与え続けている。

この5か国は、安全保障関連情報の共同の収集と共有を定めたUKUSA協定に基づき、世界中に通信傍受施設を展開してシギント(電波などの信号情報)収集を行っている。加盟国の協力範囲はシギント共有だけでなく、ヒューミント(人的な情報源から収集された情報)、情報評価、スパイ技術のノウハウ、訓練なども含む。

ヒューミントに関しては基本的に情報共有ではなく情報交換が主体のようだが、加盟国のシギント機関は事実上一体的に機能しており、世界最強の諜報同盟ともいえる。

構成メンバはいずれもイギリス帝国の植民地を発祥とするアングロサクソン諸国の機関で、各国はそれぞれ AUS、CAN、NZL、GBR、USA との略称で区別される。

シギント防衛情報セキュリティ
インテリジェンス
情報収集
オーストラリア(AUS)オーストラリア
信号総局
(ASD)
国防情報機関
(DIO)
オーストラリア
安全保障情報機関
(ASIO)
オーストラリア
秘密情報局
(ASIS)
カナダ(CAN)カナダ通信保安局
(CSE)
カナダ軍
情報司令部
(CFINTCOM)
カナダ安全保障情報局
(CSIS)
左同
ニュージーランド(NZL)政府通信保安局
(GCSB)
国防情報安全
保障総局
(DDIS)
ニュージーランド
安全保障情報局
(NZSIS)
左同
イギリス(GBR)政府通信本部
(GCHQ)
防衛情報
(DI)
セキュリティサービス
(別名MI5)
秘密情報局
(SIS)
(別名 MI6)
アメリカ(USA)アメリカ国家
安全保障局
(NSA)
国防情報局
(DIA)
連邦捜査局
(FBI)
中央情報局
(CIA)

UKUSA協定グループのコンピュータネットワークはエシュロン (Echelon) と呼ばれている。

この5か国間で行われている超高機密の情報共有の多くは、米国国防情報局 (DIA) によって運営されているネットワークのコードネームである、ストーン・ゴースト(STONEGHOST)ネットワークを介して行われている。このネットワークには「西側世界で最も厳重に守られている秘密の一部」が含まれていると言われている。

 だがファイブ・アイズは、存在自体が2010年まで秘匿されていた。今では関連文書が一部公開されているものの、ほぼ3分の2が「黒塗り」である。

【沿革】

  • 1940.6. アメリカ陸海軍の暗号部とイギリスの政府暗号学校が共同でドイツの暗号機エニグマを解読
  • 1943 アメリカ陸軍省とイギリスのGC&CSが「特殊な諜報に関する協定」、アメリカ陸軍とGC&CSが「信号諜報に関する協定」をそれぞれ締結(1943年のBRUSA協定と呼ばれる)
  • 1946.3.5 アメリカ陸海軍通信諜報局とロンドン信号諜報局が「英米通信諜報協定(BRITISH-U.S.COMMUNICATION INTELLIGENCE AGREEMENT: BRUSA(ブルーサ)」を締結
  • 1948 カナダが参加
  • 1956 オーストラリアニュージーランドが参加
  • 1995 旧ソ連の諜報活動が記されたベノナ文書が公開
  • 2001 欧州議会の「エシュロン通信傍受システムに関する特別委員会」が報告書を提出
  • 2010 米英両国政府が機密指定を解除(ファイブアイズの存在が初めて公開される)
  • 2013 NSAのインターネット盗聴システム「PRISM」や、NSAとGCHQの光ファイバケーブル盗聴作戦「Tempora」が内部告発(→エドワード・スノーデン事件
  • 2015 アメリカ国家安全保障局(NSA)がドイツや日本など、英米以外の同盟各国の要人や政府機関の国際通信を盗聴していたことが、ウィキリークスにより明るみに出る

参加国

イギリス イギリス(グレートブリテン及び北アイルランド連合王国)
United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland

  • 立憲君主制(イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドという4つのカントリー(国)が、同君連合型の単一主権国家を形成)
  • 議院内閣制のモデルとされるウェストミンスター・システム発祥の地、庶民院と貴族院の両院制
  • 名目国内総生産(GDP)は世界5位、購買力平価(PPP)で世界9位
イギリス(グレートブリテン及び北アイルランド連合王国)
 United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland

●首都
ロンドン

アメリカ合衆国 アメリカ合衆国
United States of America

  • 国土面積は985万km2 で世界3位、総人口は約3億3,200万人で世界3位
  • 大統領制の連邦共和国で、上院と下院の両院制、民主党と共和党の二大政党制
  • 名目国内総生産(GDP)は世界1位、購買力平価(PPP)で世界2位

カナダ カナダ
Canada

  • 国土面積は9,984,670km2 で世界2位、人口は3774万人で世界39位
  • 連邦立憲君主制国家、イギリス連邦加盟国で英連邦王国の一つ、議院内閣制、上院と下院の両院制
  • 名目国内総生産(GDP)は世界9位、購買力平価(PPP)で世界15位
カナダ  Canada

●首都
オタワ

オーストラリア オーストラリア連邦
Australia

  • 国土面積は7,692,024km2(日本の約20倍、アラスカを除く米とほぼ同じ)で世界6位、人口は2550万人で世界55位
  • 立憲君主制・連邦制、イギリス国王・女王と同一人物であるオーストラリア国王が国家元首、上院・下院の両院制で議員内閣制
  • 名目国内総生産(GDP)は世界13位、購買力平価(PPP)で世界19位
オーストラリア連邦  Australia

●首都
キャンベラ

ニュージーランド
New Zealand

  • 国土面積は270,467km2(日本の約4分の3)で世界73位、人口は501万人で世界120位
  • 立憲君主制、ニュージーランド国王が国家元首でイギリス国王との同君連合、議院内閣制、パーラメントの一院制
  • 名目国内総生産(GDP)は世界51位、購買力平価(PPP)で世界67位

あわせて読みたい

参考リンク

コメント