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メコン川下流域イニシアティブ(LMI)

メコン川下流域イニシアティブ(LMI) 分類する

概要

メコン川下流域イニシアティブ(LMI: Lower Mekong Initiative)は、2009年7月23日にタイのプーケットで行われたヒラリー・クリントン米国務長官とメコン川下流域諸国であるカンボジア、ラオス、タイ、ベトナム各国の外相会談にて、環境、健康、教育、インフラ開発の分野で協力を強化することで合意、国境を越えた交通・通信網の整備や貿易・投資の促進、観光開発などを進めることを目指す開発計画として創設された。

メコン川下流域開発の主な取り組みは、以下の通り。

  1. 国境を越えた交通・通信網の整備
  2. 貿易・投資の促進
  3. 観光開発
  4. 水力発電施設の整備
  5. 道路網の整備
  6. 環境対策

メコン川下流域開発は、アジア開発銀行(ADB)を中心に進められており、日本も積極的に支援している。

2012年、ミャンマーはLMIに加盟し、全加盟国は6か国となった。

 主な活動内容

6つの柱にわたる開発を促進するプラットフォームとしての役割を果たしている。

  • 農業
    • 農家と協力して食料安全保障と水産養殖に取り組む
  • 接続性
    • LMIと他のASEAN諸国間の通信インフラと通信回線に重点を置く
  • 教育
    • 若者に教育の機会を提供し、政府職員に英語研修を提供する
  • エネルギー
    • エネルギー安全保障の向上と再生可能エネルギー源の開発を目指す
  • 環境
    • 安全な飲料水へのアクセスを増やし、水に関連する極端な事象に関連するリスクを軽減する
  • 保健
    • 公衆衛生を改善する政策とプログラムを支援

2020年に、LMIは新たなメコン・米国パートナーシップ(Mekong-US Partnership)に組み込まれた。

メコンにおける地域組織・パートナーシップ

メコン地域は、諸外国の外交施策により、様々な域外勢力が地域組織・パートナーシップを形成してその影響力行使にしのぎを削っている。メコン各国においても、そうした域外諸国から少しでも有利な経済的協力を得ようと工夫を凝らす。

以下は、代表的なメコン地域における地域組織・パートナーシップの一例である。

開始時期略称名称主導国枠組み
1992年GMS大メコン圏
(Greater Mekong Subregion)
ADBメコン+中国
1995年MRCメコン川委員会
(Mekong River Commision)
UNDPメコン+中国
2000年MGCメコン・ガンジス川協力機構
(Mekong–Ganga Cooperation)
インドメコン+インド
2003年ACMECSエーヤーワディ・チャオプラヤ・メコン経済協力戦略
(Ayeyawady-Chao Phraya-Mekong Economic Cooperation Strategy)
タイメコンのみ
2008年
2009年
日本・メコン日・メコン外相会議
日本・メコン地域諸国首脳会議
日本メコン+日本
2009年LMIメコン川下流域開発
(Lower Mekong Initiative)
米国メコン+米国
2015年LMC瀾滄江・メコン川協力
(Lancang-Mekong Cooperation)
中国メコン+中国
注)MRCでは、ミャンマー・中国はオブザーバー
アジアにおける地域組織間の関係:Wikipediaより

原加盟国

時期状況メンバーシップ
2009.7.23創設カンボジア、ラオス、タイ、ベトナム、米国
2012新規加盟ミャンマー

カンボジア王国
ព្រះរាជាណាចក្រកម្ពុជា
Kingdom of Cambodia

  • 国土面積は181,035km2 で世界87位、総人口は16,718,971人で世界68位
  • 国王を元首とする立憲君主制(選挙君主制)
  • 内戦を経て1993年9月24日に王政復古がなされ現在に至る
カンボジア王国
ព្រះរាជាណាចក្រកម្ពុជា
Kingdom of Cambodia

●首都
プノンペン

ラオス人民民主共和国
ສາທາລະນະລັດ ປະຊາທິປະໄຕ ປະຊາຊົນລາວ
Lao People’s Democratic Republic

  • 国土面積は236,800km2 で世界79位、総人口は7,276,000人で世界104位
  • 国家主席を元首とする社会主義共和制国家(人民民主共和制)、立法府は一院制の国民議会
  • 計画経済から社会主義市場経済に移行したが、国連が定める世界最貧国の一つ。中華人民共和国が主導する経済圏「一帯一路」に参加、「債務のワナ」に陥ることが懸念されている

タイ王国
ราชอาณาจักรไทย
Kingdom of Thailand

  • 国土面積は513,120km2(日本の約1.4倍)で世界50位、総人口は6,980万人で世界20位
  • 立憲君主制でチャクリー王朝の国王が国家元首。議院内閣制で人民代表院(下院)と、元老院(上院)から成る両院制
  • 親軍政党との連立政権だが、2023年8月23日にセーター首相就任で民政復帰
タイ王国 ราชอาณาจักรไทย Kingdom of Thailand

●首都
バンコク

ベトナム社会主義共和国
Cộng hòa xã hội chủ nghĩa Việt Nam
Socialist Republic of Vietnam

  • 国土面積は331,212km2 で世界64位、総人口は1,038万人で世界16位
  • 社会主義共和制(ベトナム共産党による一党独裁制)。ベトナム共産党の最高職である党中央委員会書記長(最高指導者)、国家元首である国家主席、政府の長である首相、立法府である国会の議長を「国家の四柱」と呼ぶ
  • 1986年12月:社会主義に市場経済システムを取り入れるドイモイ政策を採択、中国の改革開放と同様に市場経済路線へと転換
ベトナム社会主義共和国
Cộng hòa xã hội chủ nghĩa Việt Nam
Socialist Republic of Vietnam

●首都
ハノイ

アメリカ合衆国 アメリカ合衆国
United States of America

  • 国土面積は985万km2 で世界3位、総人口は約3億3,200万人で世界3位
  • 大統領制の連邦共和国で、上院と下院の両院制、民主党と共和党の二大政党制
  • 名目国内総生産(GDP)は世界1位、購買力平価(PPP)で世界2位

新規加盟国

ミャンマー連邦共和国
ပြည်ထောင်စု သမ္မတ မြန်မာနိုင်ငံတော်
Republic of the Union of Myanmar

  • 国土面積は676,578km2 (日本の約1.8倍)で世界40位、総人口は54,410,000人で世界26位
  • 大統領を元首とする共和制。2021年のクーデターにより、国家行政評議会議長を事実上の国家指導者とする軍事政権に戻った
  • 1989年にビルマからミャンマーに国名変更(軍事政権の正統性の観点から併記などの運用の幅あり)
ミャンマー連邦共和国
ပြည်ထောင်စု သမ္မတ မြန်မာနိုင်ငံတော်
Republic of the Union of Myanmar

●首都
ネピドー(ネーピードー)
(2006年に旧首都ヤンゴンから移転)
(1989年にラングーンからヤンゴンへ改称)

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参考リンク

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