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北極評議会 Arctic Council

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概要

北極評議会(AC: Arctic Council)は、1996年9月の「オタワ宣言」に基づき設立された、カナダ、デンマーク(グリーンランド、フェロー諸島を含む)、フィンランド、アイスランド、ノルウェー、ロシア、スウェーデン及びアメリカ合衆国の北極圏8か国によって設置されたハイレベル・フォーラムである。ノルウェーのトロムソに常設事務局が設置されている。

1989年設立の北極圏環境保護戦略(AEPS: Arctic Environmental Protection Strategy)を継承し、技術の進展や北極海における結氷域の縮小等による、北極域における経済活動や環境保護にかかる問題に関して国際的な協議及び協力を図るために設置された。

北極における持続可能な開発、環境保護といった共通の課題について協力等を促進することを目的とする。オタワ宣言では、軍事・安全保障に関連する事項は扱わないこととされている。

2011年、北極評議会加盟国は、評議会の主導で締結された最初の拘束力がある条約として北極捜索救助協定を締結した。

新規の加盟国は認められておらず、現8か国で固定されている。議長国は加盟国から選出され、2年交代である。

ロシアによるウクライナ侵略を受け、2022年3月、ロシア以外のメンバー7か国がロシア議長国下でのACの会合への不参加を表明。2023年5月、議長国はロシアからノルウェーに移行した。

組織・構成

常時参加者(PP:Permanent Participants)として、北極圏諸国に居住する先住民団体の参加が認められている。「オタワ宣言」では、PPの数は常にメンバー国の数を下回ることとされており、現時点では下記6団体が承認されている。

  • アリュート国際協会(AIA:Aleut International Association)
  • 北極圏アサバスカ評議会(AAC:Arctic Athabaskan Council)
  • グイッチン国際評議会(GCI:Gwich’in Council International)
  • イヌイット極域評議会(ICC:Inuit Circumpolar Council)
  • ロシア北方民族協会(RAIPON:Russian Association of Indigenous Peoples of the North)
  • サーミ評議会(Saami Council)

常時参加者は決定権を有さないが、その発言力は大きいと評されている。

半年に1度、議長国のどこかで高級実務者会合(Senior Arctic Officials meeting)を開催し、2年に一度会合(閣僚レベル:外相か環境相)を実施する。基本的に、メンバーによるコンセンサスで意思決定がなされる。

会議が開かれた街にちなんで名付けられた、正式ながらも拘束力のない「宣言」によって評議会の過去の成果とその後の活動がまとめられる。これらの宣言は気候変動、持続可能な開発、北極圏の監視と調査、残留性有機汚染物質およびその他の汚染物質、そして評議会のワーキンググループ5団体の活動についてなどに言及するものである。

  • 事務局
  • ワーキンググループ
    • 北極圏監視評価プログラム(AMAP: Arctic Monitoring and Assessment Programme)
    • 北極圏動植物の保全(CAFF: Conservation of Arctic Flora & Fauna)
    • 緊急事態予防、準備、対応(EPPR: Emergency Prevention, Preparedness & Response)
    • 北極海洋環境の保護(PAME: Protection of the Arctic Marine Environment)
    • 持続可能な開発作業部会(SDWG: Sustainable Development Working Group)
    • 北極汚染物質対策計画(ACAP: Arctic Contaminants Action Program)
  • プログラムと行動計画
    • 北極の生物多様性評価(Arctic Biodiversity Assessment)
    • 極域生物多様性モニタリングプログラム(CBMP: Circumpolar Biodiversity Monitoring Program)
    • 北極の気候影響評価(Arctic Climate Impact Assessment)
    • 北極圏の人間開発報告書(Arctic Human Development Report)

参加国

時期状況メンバーシップ
1996.9.19創設カナダ、デンマーク、フィンランド、アイスランド、ノルウェー、ロシア、スウェーデン、アメリカ合衆国
オブザーバー
中国、フランス、ドイツ、インド、イタリア、日本、韓国、オランダ、ポーランド、シンガポール、スペイン、スイス、イギリス

カナダ カナダ
Canada

  • 国土面積は9,984,670km2 で世界2位、人口は3774万人で世界39位
  • 連邦立憲君主制国家、イギリス連邦加盟国で英連邦王国の一つ、議院内閣制、上院と下院の両院制
  • 名目国内総生産(GDP)は世界9位、購買力平価(PPP)で世界15位
カナダ  Canada

●首都
オタワ

デンマーク王国
Kingdom of Denmark

  • 国土面積は、43,094km2 (九州とほぼ同じ)で世界130位、グリーンランドとフェロー諸島を加えると 2,220,093km2 で第13位、人口は579万人(兵庫県とほぼ同じ)で世界112位
  • 立憲君主制、議院内閣制、一院制
  • 名目国内総生産(GDP)は世界37位、購買力平価(PPP)で世界57位

フィンランド共和国
Republic of Finland

  • 国土面積は、338,431km2 (日本よりやや小さい)で世界65位、人口は554万人で世界114位
  • 共和制で大統領が国家元首、2000年のフィンランド基本法制定及び2012年の改正によって半大統領制体制から議院内閣制へ、エドゥスクンタ(Eduskunta)の一院制
  • 名目国内総生産(GDP)は世界43位、購買力平価(PPP)で世界60位
フィンランド共和国 Republic of Finland

●首都
ヘルシンキ

アイスランド
Iceland

  • 国土面積は、10万3000km2(北海道よりやや大きい)で世界105位、人口は34万1000人で世界170位
  • 共和制、直接選挙による大統領が国家元首、議院内閣制、通常は多数党の党首が大統領によって首相に任命、アルシングの一院制
  • 名目国内総生産(GDP)は世界108位、購買力平価(PPP)で世界146位

ノルウェー王国
Kingdom of Norway

  • 国土面積は、385,207km2(日本とほぼ同じ)で世界61位、人口は5,550,203人で世界117位
  • 立憲君主制、議院内閣制、2009年からストーティングの一院制に移行
  • 名目国内総生産(GDP)は世界32位、購買力平価(PPP)で世界47位
ノルウェー王国 Kingdom of Norway

●首都
オスロ

ロシア連邦
Russian Federation

  • 国土面積は17,090,000 km2 と世界最大、人口は1億4202万人で世界9位
  • 国際連合の安全保障理事会 常任理事国のひとつ
  • 1991年のソビエト連邦の崩壊後、ロシア・ソビエト連邦社会主義共和国を継承して成立
ロシア連邦  Russian Federation

●首都
モスクワ

スウェーデン王国
Kingdom of Sweden

  • 国土面積は、450,295km2 (日本の約1.2倍)で世界54位、人口は1035万人で世界84位
  • 立憲君主制、1971年に両院制からリクスダーゲン (Riksdagen)の一院制に変わる
  • 名目国内総生産(GDP)は世界23位、購買力平価(PPP)で世界40位

アメリカ合衆国 アメリカ合衆国
United States of America

  • 国土面積は985万km2 で世界3位、総人口は約3億3,200万人で世界3位
  • 大統領制の連邦共和国で、上院と下院の両院制、民主党と共和党の二大政党制
  • 名目国内総生産(GDP)は世界1位、購買力平価(PPP)で世界2位

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参考リンク

注: ⇩下記の外務省リンクは生きている

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