中華人民共和国の最高指導者について
中華人民共和国は、憲法にて中国共産党が国家を指導する構造のため、党首(党総書記など、党の最高指導者)が国家の最高意思決定者となる。しかし、鄧小平が党のトップに立たずに実権を握った時期がある。
それゆえ、形式的な表向きのポストではなく、最高指導者として事実上の認知がなされた者を最高指導者と考える必要がある。
最高指導者 | 中国共産党 | 国家元首 | 行政府(首相) | 人民解放軍 | 備考 |
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中央委員会主席 毛沢東 1945.6.19 – 1976.9.9 | 党中央軍事 委員会主席 毛沢東 1945.8.23 – 1949.10.1 | ||||
毛沢東 1949.10.1 – 1976.9.9 | 中央人民 政府主席 毛沢東 1949.10.1 – 1954.9.27 | 政務院総理 周恩来 1949.10.1 – 1954.9.27 | 中央人民政府 人民革命軍事 委員会主席 毛沢東 1949.10.1 – 1954.9.27 | 中華人民共和国の建国 1949.10.1 | |
国家主席 毛沢東 1954.9.27 – 1959.4.27 | 国務院総理 周恩来 1954.9.27 – 1976.1.8 | 党中央軍事 委員会主席 毛沢東 1954.9.28 – 1976.9.9 | 百花斉放百家争鳴運動 1956 – 1957 反右派闘争 1957.6 大躍進政策 1958.5 – 1961.1 | ||
国家主席 劉少奇 1959.4.27 – 1968.10.31 | 文化大革命 1966.5 – 1976.10 林彪事件 1971.9.8 – 9.13 | ||||
(空席) | 国務院総理代行 華国鋒 1976.2.2 – 1976.4.7 | 第一次天安門事件 (四五天安門事件) 1976.4.5 | |||
(空席) | 国務院総理 華国鋒 1976.4.7 – 1980.9.10 | ||||
華国鋒 1976.10.7 – 1978.12.22 | 中央委員会主席 華国鋒 1976.10.7 – 1981.6.29 | (空席) | 党中央軍事 委員会主席 華国鋒 1976.10.7 – 1981.6.29 | ||
鄧小平 1978.12.22 – 1989.11.9 | (空席) | 第11期3中全会 華国鋒の失権と 鄧小平の権力掌握 が確定 1978.12 | |||
中央委員会主席 胡耀邦 1981.6.29 – 1982.9.12 | (空席) | 国務院総理 趙紫陽 1980.9.10 – 1987.11.24 | 党中央軍事 委員会主席 鄧小平 1981.6.29 – 1989.11.9 | ||
総書記 胡耀邦 1982.9.12 – 1987.1.16 | 国家主席 李先念 1983.6.18 – 1988.4.8 | ||||
総書記 趙紫陽 1987.1.16 – 1989.6.23 | 国務院総理代行 李鵬 1987.11.24 – 1988.4.9 | 第二次天安門事件 1989.6 | |||
江沢民 1989.11.9 – 2002.11.15 | 総書記 江沢民 1989.6.24 – 2002.11.15 | 国家主席 楊尚昆 1988.4.8 – 1993.3.27 | 国務院総理 李鵬 1988.4.9 – 1998.3.17 | 党中央軍事 委員会主席 江沢民 1989.11.9 – 2004.9.19 | 第14回党大会 社会主義市場経済の導入 1992.10 |
国家主席 江沢民 1993.3.27 – 2003.3.15 | 国務院総理 朱鎔基 1998.3.17 – 2003.3.16 | ||||
胡錦濤 2002.11.15 – 2012.11.15 | 総書記 胡錦濤 2002.11.15 – 2012.11.15 | 国家主席 胡錦濤 2003.3.15 – 2013.3.14 | 国務院総理 温家宝 2003.3.16 – 2013.3.15 | ||
党中央軍事 委員会主席 胡錦濤 2004.9.19 – 2012.11.15 | 2010年度GDP世界2位 | ||||
習近平 2012.11.15 – 現在 | 総書記 習近平 2012.11.15 – 現職 | 党中央軍事 委員会主席 習近平 2012.11.15 – 現職 | |||
国家主席 習近平 2013.3.14 – 現職 | 国務院総理 李克強 2013.3.15 – 2023.3.11 | 全国人民代表大会 国家主席の任期制限 撤廃の憲法改正 2018.3.11 | |||
国務院総理 李強 2023.3.11 – 現職 | 第二十回党大会で 党内序列2位 2022.10.16 |
建国から文化大革命まで (1949年 – 1976年)
代
氏名
在任期間
事績
1代
1949.10.1 – 1976.9.9
1949.10.1 中華人民共和国の建国を宣言
1950: 中ソ友好同盟相互援助条約
1950.6: 中華人民共和国土地改革法
1950.6.25 – 1953.7.27 朝鮮戦争
1951: 十七か条協定によりチベット併合
1951: 三反運動
1952: 五反運動
1953.1: 第一次五カ年計画
1954.9: 全国人民代表大会が設置
全人代第1回会議において中華人民共和国憲法が正式に制定
1955: 新疆ウイグル自治区が設置
1956 – 1957: 百花斉放百家争鳴運動
1957.6: 反右派闘争
1958.5 – 1961.1 大躍進政策・人民公社
1959年–1961: 中華人民共和国大飢饉(3年大飢饉)
1964: 初めての核実験(596)
1969.3: 中ソ国境紛争(珍宝島事件/ダマンスキー島事件)
1959.4.27 大躍進政策の責任を取って国家主席の地位を劉少奇に譲る
1959.7-8: 廬山会議で彭徳懐を失脚させる
1962.1: 七千人大会
1964:『毛沢東語録』が出版
1966.5 – 1976.10 文化大革命
1971.9.8 – 9.13 林彪事件
1971.10.25 アルバニア決議により国際連合における合法的権利の回復(安保理常任理事国)
1972.2.21 ニクソン大統領の中国訪問
1972.9.29 日中共同声明(日中国交正常化)
1972 – 1978: 中ア対立
1973.8 – 1976 批林批孔運動
1976.4.5 周恩来の追悼を機に四五天安門事件(第一次天安門事件)が起り、鄧小平が失脚
–
(権力の空白期間)
1976.9.9 –
1976.10.7
1976.10.6 四人組が北京で逮捕(江青・張春橋・姚文元・王洪文)
–
1976.10.7 –
1978.12.22
1977.8: 第11回党大会において文化大革命の終結を宣言
1977.9: 毛主席紀念堂を建設
1978.12: 第11期3中全会で、中国共産党のトップとしての実権を鄧小平に奪われ失脚
この時、「社会主義近代化建設への移行」、改革開放路線の決定がなされる
改革開放から新冷戦まで (1976年 – )
2代
1978.12.22 –
1989.11.9
1979.1.1 アメリカ合衆国との国交が正式に樹立
1979.7: 経済特区を設置(深圳・珠海・汕頭・廈門)
1979.2.17 – 3.16 中越戦争
1979 – 2014: 一人っ子政策
1981.1.25 文革四人組が最高人民法院特別法廷で判決を得る
1982: 第12回党大会で、革命第一世代からの若返りを図るため、中央顧問委員会を設立
1984.4-7: 中越国境紛争
1985.8.15 南京大虐殺紀念館が開設
1987.1.16: 政治局拡大会議で胡耀邦が総書記を解任される
1988.3.14 スプラトリー諸島海戦(南沙諸島海戦)
1989.5: 訪中したゴルバチョフ書記長と会談してソ連と関係正常化
1989.6.4 六四天安門事件(第二次天安門事件)
1989.6: 第13期4中全会において、趙紫陽が全職務を解任されて失脚
3代
1989.11.9 –
2002.11.15
「上海閥」を形成
「世界の工場」
1992.1-2: 鄧小平の南巡講話
1992.10.18 第14回党大会で中央顧問委員会を廃止、社会主義市場経済の導入
1996: 文攻武嚇(李登輝を批判し台湾の民主化を警戒して台湾海峡にミサイルを撃ち込みアメリカ軍の緊急展開を招く)
1997.7: 香港の中国への返還
1999.12: 澳門の中国への返還
1999: 法輪功集団による北京中南海陳情事件
1999: 東シナ海ガス田問題が始まる
1999: コソボ紛争におけるNATO軍の空爆で中国大使館が誤爆
2000.4: 九二共識(一つの中国)が台湾側から公表
2001.11: 世界貿易機関(WTO)への加盟
2002.11: 第16回党大会で「3つの代表」理論を党の指導思想として党規約に追加
4代
2002.11.15 –
2012.11.15
「共産主義青年団」
2003.10.15 神舟5号打ち上げ成功
2004: 上海総領事館員自殺事件
2008年のチベット騒乱
2008.5.12 四川大地震
2008年北京オリンピック
2008.12.15 台湾との三通の開通が実現
2009年ウイグル騒乱
2010: 上海国際博覧会
2010年度GDP世界2位
2010.9.7 尖閣諸島中国漁船衝突事件
5代
2012.11.15 –
現在
2014.1.24: 党中央政治局会議で党中央国家安全委員会主席就任
2014.11.10 APEC首脳会議にて、「一帯一路(シルクロード経済ベルトと21世紀海洋シルクロード)」を打ち出す
2014.5.15 南沙諸島海域の人工島建設
2015.11.7 台湾総統の馬英九と史上初の首脳会談
2018.1: 第19期中央委員会2中全会にて憲法改正され、「習近平による新時代の中国の特色ある社会主義思想」が明記される
2018.3.11 全国人民代表大会にて、国家主席の任期制限撤廃の憲法改正
2018: 米中貿易戦争が本格化する
2019年逃亡犯条例改正案の提出と撤回
2019 – 2020: 香港民主化デモ
2019: 新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) のパンデミック(世界的流行
発生源とされる武漢華南海鮮卸売市場
2022北京冬季オリンピック
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