ラテンアメリカ・カリブ諸国共同体 CELAC

概要
加盟国
スペイン語圏
英語圏
ポルトガル語圏
1. ブラジル連邦共和国
  Federative Republic of Brazil
フランス語圏
1. ハイチ共和国
  Repiblik d Ayiti
  République d’Haïti
オランダ語圏
1. スリナム共和国
  Republic of Suriname
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参考リンク

概要

ラテンアメリカ・カリブ諸国共同体（CELAC: Comunidad de Estados Latinoamericanos y Caribeños）は、全ての中南米諸国（ラテンアメリカ・カリブ諸国）33か国が参加し、2011年12月に発足した地域枠組みである。将来的な中南米統合を長期的な目標に掲げている。

1980年代からの中南米諸国の協議組織であった「リオ・グループ」（RG）がその前身である。中南米の問題は中南米で解決するという観点から、米州機構（OAS）と異なり米国やカナダはメンバーとはなっていない。

日本語としては、「中南米諸国共同体」という表記がされることもある。「CELAC」は ”セラック” と読み習わされている。

スペイン語: Comunidad de Estados Latinoamericanos y Caribeños
英語: Community of Latin American and Caribbean States
ポルトガル語: Comunidade de Estados Latino-Americanos e Caribenhos
フランス語: Communauté des États Latino-Américains et Caribéens
オランダ語: Gemeenschap van de Latijns-Amerikaanse en Caribische landen

設立経緯

中米諸国で武力紛争が続くなか、米国の干渉を排して中米紛争を中南米域内諸国で平和的に解決することを目的に、メキシコ、コロンビア、パナマ、ベネズエラによって1983年に「コンタドーラ・グループ」が形成された。さらに同グループを支援するため1985年にはブラジル、アルゼンチン、ペルー、ウルグアイによって「コンタドーラ支援グループ」が形成された。

1986年に「コンタドーラ・グループ」「コンタドーラ支援グループ」共同で、ラテンアメリカ・カリブ首脳会議がブラジルのリオデジャネイロで開かれたことから「リオ・グループ」（RG）の名前が付いた。

開いた会議で始まった中米和平合意成立後の1990年代には上記の国々を中核に他の中南米諸国も参加して、中南米諸国の協議組織として活発に活動してきた。2000年代に入り、さらにカリブ諸国も加盟し始め、2010年までにリオ・グループはキューバも含み全ての中南米諸国を包含するに至った。この間、1987年の第1回首脳会合から2010年までに21回の首脳会合、2回の特別首脳会合が開催された。

2008年12月、ブラジルのサルバドールにほぼ全ての中南米諸国首脳が集まり、RG特別首脳会合を開催し、同時に第1回ラテンアメリカ・カリブ首脳会合（CALC）が開催された。この時の「サルバドール宣言」において、「米国から自立した地域統合を目指す」として、CELACの設立意図表明が行われ、2010年2月に開催された第2回CALCでもこの方針が確認された。

2011年12月3日、ベネズエラのカラカスにおいて第3回CALCが開催され、南米独立の英雄シモン・ボリバルを称賛して設立原則などを記した「カラカス宣言」と「カラカス行動計画」を満場一致で採択して正式にCELACが発足した。

組織の性格付けと主な動き

旧ソ連の潜在的な影響力に対抗するために1948年に米国と他のラテンアメリカ諸国21か国によって設立された地域機関である米州機構（OAS）の代替として見られている。1962年にOASから資格停止となり、それ以来再加入を拒否しているキューバを含み、米国・カナダを除くフレームワークは中南米の実質的な地域統合の枠組みとして捉える向きもある。

2020年1月に、ブラジルはジャイル・ボルソナーロ政権下でラテンアメリカ・カリブ諸国共同体への参加を停止することを決定した。CELACは、加盟国における「民主主義の保護」に失敗した国とブラジルを非難するなど一時対立が激化した。2022年に新大統領に選出されたルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルバは政権発足後すぐに事実上再加盟を果たした。

2023年6月、CELACはプエルトリコ島のラテンアメリカとカリブ海地域としての特徴を認め、「国連総会に対し、プエルトリコの問題を全体的に、あらゆる側面から検討し、この問題についてできるだけ早く裁定を下すよう要請する」と声明発表した。

組織

「設立条約」のような法的文書はなく、首脳が署名した「カラカス宣言」、「カラカス行動計画」が根拠となっており、条約に基づいた機構ではなく緩やかなつながりの組織となっている。

最高意思決定機関は首脳会合であるが、前・現・次期議長国およびカリコム議長国で構成される「カルテット」が対外的にCELACを代表する。

年1から2回開催される閣僚会合、各国から1名が任命され、閣僚会合の前に開催される調整国会合などがある。

国家元首および政府首脳の首脳会議
外務大臣会合
国家コーディネーター会議
臨時大統領職
カルテット

CELAC INTERNATIONAL – Seguimos haciendo historia

アメリカ大陸のさまざまな多国籍組織間の関係を示すオイラー図: Wikipediaより

加盟国

時期	状況	言語圏	メンバーシップ
2011.12.3	創設	スペイン語	アルゼンチン、ボリビア、チリ、コロンビア、コスタリカ、キューバ、ドミニカ共和国、エクアドル、エルサルバドル、グアテマラ、ホンジュラス、メキシコ、ニカラグア、パナマ、パラグアイ、ペルー、ウルグアイ、ベネズエラ
		英語	アンティグア・バーブーダ、バハマ、バルバドス、ベリーズ、ドミニカ国、グレナダ、ガイアナ、ジャマイカ、セントルシア、セントクリストファー・ネイビス、トリニダード・トバゴ、セントビンセント・グレナディーン
		ポルトガル語	ブラジル
		フランス語	ハイチ
		オランダ語	スリナム