原価計算基準 二二(二)[前段]等価係数(インプット基準)追加しました
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原価計算システム Costing Systems

原価計算システム Costing Systems マネジメント
原価計算システム Costing Systems

原価計算システム Costing Systems

原価計算において、いわゆる一般的な製品別原価※を求めるには、原価情報を、例えば直接材料費・直接労務費・製造間接費などの原価要素に❶分類し、部門や機械・作業区などのコストプールに❷集計し、最終的な原価を計算したい原価対象(製品、サービス、ジョブ、プロジェクトなど)に❸割当てることが必要になる。

※ここでの製品別原価の意は、製品別、ジョブ別、プロジェクト別、サービス別などの総称

原価計算システムは3つの構成要素におけるそれぞれの方式・方法の選択の組み合わせで成り立っている。

  1. 原価測定方法(Cost Measurement Method)
    • 標準原価(standard cost)
    • 正常原価(normal cost)/予定原価
    • 実際原価(actual cost)
  2. 原価集計方法(Cost Accumulation Method)
    • 個別原価計算(job costing)
    • 総合原価計算(process costing)
    • 加工費法(operation costing)
  3. 製造間接費の配賦方式(Allocation Method)
    • 操業度基準(volume-based)– 活動基準の登場により伝統的方式(traditional method)とも
    • 活動基準(activity-based)

理屈的には、3×3×2=18種類になるが、実務的にあり得ない組み合わせもあるため、実際には、14種類程度になる。

原価測定システム Cost Measurement Systems

下記3つの原価測定システムは、製品原価を求めるために、製造直接費直課(賦課)製造間接費(オーバーヘッド)配賦の両方に使用される。

標準原価(Standard costing systems)

正常原価(Normal costing systems)/予定原価

実際原価(Actual costing systems)

原価測定方法原価集計方法
との組み合わせ
直接原価の
賦課レート
直接原価の
賦課基準
間接原価の
配賦レート
間接原価の
配賦基準
標準原価・総合原価計算
・個別原価計算
標準レート標準消費量
×
実際生産高
事前測定
による
標準レート
標準基準値
×
実際生産高
正常原価・個別原価計算実際レート実際消費量
×
実際生産高
事前見積もり
による
正常レート
実際基準値
×
実際生産高
実際原価・個別原価計算実際レート実際消費量
×
実際生産高
実際レート実際基準値
×
実際生産高

学習用例示 – 標準原価・正常原価(予定原価)・実際原価

原価差異レポート

  • 標準原価計算システムにおける原価差異レポート
  • 正常原価計算システム(予定原価計算システム)における原価差異レポート
  • 実際原価計算システムにおける原価差異レポート

原価集計システム Cost Accumulation Systems

方式説明
総合原価計算
Process costing
・大量生産方式で製品/サービスの性質が似通っているものの生産に適している
・加工組立工程でよく用いられる
・原価は部門や工程に集計される
個別原価計算
Job order costing
・製品/サービスの特徴がそれぞれ大きく異なり、一つ一つの製造工程が分離している
・原価はジョブ(作業自体またはジョブにひもづけられた作業)に集計される
・ジョブは、製造指図書、プロジェクト、サービス案件、工事/開発単位など
加工費法
Operation costing
・総合原価計算と個別原価計算のハイブリッド
・直接材料費は個別原価計算、加工費(conversion costs)は総合原価計算を適用
・加工費=直接労務費+製造間接費

製造間接費の配賦方式 Allocation Method(オーバーヘッドコスト)

方式説明
伝統的配賦方法・ひとつの配賦基準を用いて配賦する
・直接作業時間、機械時間などが採用されることが多い
・変動原価と固定原価を分けて配賦する場合もある
・日米欧の制度会計ルール(GAAP)において認められている唯一の方法
活動基準原価計算
(ABC)
・複数の間接費集計単位(cost pool)と複数の配賦基準(cost driver)を用いる
・配賦基準はそれぞれの集計単位から原価計算対象(cost object)へ最適な活動水準
を示す配賦基準を選択的に適用する
・日米欧の制度会計ルール(GAAP)では認められていない
・内部管理目的で、販管費(SGA)にも適用することがある

原価管理 Cost Management 体系

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