EU MeD グループ（MED9）

概要
1. 活動経緯
2. 会議履歴
参加国
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概要

EU MeD グループは、「EuroMed 9」「MED9」とも表記され、EUrope Mediterranean（欧州地中海）」にちなんだネーミングである。「クラブMed」や「Medグループ」とも呼ばれることも多い。

（以下、EuroMedと表記する）

地中海沿岸および南欧連合の9つの加盟国（クロアチア、キプロス、フランス、ギリシャ、イタリア、マルタ、ポルトガル、スロベニア、スペイン）による一種のサブ地域連合である。これら9か国は全て欧州連合（EU）の加盟国であり、ユーロ圏（ユーロ通貨）の一部であり、キプロスを除くすべての国がEU域内の無制限の移動の自由を保障したシェンゲン圏（シェンゲン協定）に含まれる。

当時のキプロスとスペインの外務大臣の主導により、EU内で共通の関心事項について調整を図るため、2013年12月17日にブリュッセルで非公式に会合が持たれたのを嚆矢とする非公式グループである。

EuroMedの主要目的は、

南部同盟を創設する
景気回復政策を推進する
南ヨーロッパ諸国の独自の声を伝える

とされている。

活動経緯

EuroMedでは、閣僚級の年次会合を開催することが決定され、第1回閣僚会合が2014年4月14日にスペインのアリカンテで開催された。

第2回会合は2015年2月にパリで開催された。地中海グループの第3回閣僚会合は2016年2月にキプロスで開催され、地中海連合（UfM）の事務総長ファサラ・シジルマッシも出席した。外相らは北アフリカと中東の安全保障と安定の問題、および移民危機への対応について議論した。

2021年にヤネス・ヤンシャ首相のギリシャ訪問中に、フランス、スペイン、ギリシャの支援を受けてスロベニアがグループに加わることが発表された。

クロアチアとスロベニアは2021年9月17日のアテネ会議に初めて出席した。

会議履歴

以下、主要議題のみ。

2016年9月9日：ギリシャ、アテネ
- 南部同盟を創設し、経済復興政策を推進
2017年1月28日：ポルトガル、リスボン
- EU首脳会議に向けて立場を調整し、EUの将来について考える
2017年4月10日：スペイン、マドリード
- 英国の離脱（Brexit、ブレグジット）に関わらず連合を深化させる方針を再確認
- Brexit後の欧州連合の共通ビジョンの概要を説明
2018年1月10日：イタリア、ローマ
- 国境の保護、治安の強化、移民危機の管理、成長の刺激、ダブリン条約の改革
2019年1月29日：キプロス、ニコシア
- ヨーロッパの主要な課題への取り組み：移民、Brexit、キプロスの統一
2019年6月14日：マルタ、バレッタ
- EUのゼロカーボン目標に関する合意
- EU各国における最低賃金と基本的な社会的保護の原則、およびユーロ圏への介入予算を承認
2020年9月10日：フランス、ポルティシオ（コルシカ島）
- トルコに対する東地中海におけるギリシャとキプロスの欧州防衛
- リビアに対する国連の武器禁輸を強化するために設立された「イリニ・ミッション」について協議
2021年9月17日：ギリシャ、アテネ
- 地球温暖化対策における協力発展
- EUにおける共通の安全保障および防衛の取り組みを展開
- タリバンによるカブール占領後の移民問題
- キプロス問題に加え、特にシリア、レバノン、チュニジアなど地中海東部および中部の平和と安定を強化
2022年12月9日：スペイン、アリカンテ
- エネルギー市場是正メカニズムとガス価格の上限に関する委員会の提案
2023年9月29日：マルタ、イムディーナ
2024年10月11日：キプロス共和国、パフォス
- 中東紛争、移民問題

参加国

時期	状況	メンバーシップ
2013.12.17	創設	キプロス、フランス、ギリシャ、イタリア、マルタ、ポルトガル、スペイン
2021	新規参加	クロアチア、スロベニア

キプロス共和国
Republic of Cyprus

国土面積は、9,250km²（四国の約半分）で世界162位、人口は124万人で世界158位
共和制でトルコ系の大統領が国家元首謙行政の長、トルコ系から行政権限を分掌し拒否権を持つ副大統領を選出、代議院（ギリシャ系（56人）とトルコ系（24人））の一院制
名目国内総生産（GDP）は世界105位、購買力平価（PPP）で世界128位