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西洋哲学史-古代哲学 Ancient philosophy

西洋哲学史-古代哲学 Ancient philosophy リベラルアーツ
「キプロスのゼノン」「エピクロス」「プラトン」「ピュロン」「アリストテレス」「ソクラテス」西洋哲学史 - 古代哲学 Ancient philosophy

ギリシア初期哲学

イオニア派

紀元前6世紀から紀元前5世紀にかけて、イオニア地方を中心に活動したギリシア哲学における自然哲学者

知覚的な情報を元に、自然・万物の根源である「アルケー」を様々に考察した自然哲学の嚆矢

アリストテレスは彼らのことをピュシオロゴイ(physiologoi, 「自然について語る者」という意味)と呼んだ

ミレトス派

イオニア人の都市国家ミレトスの自然哲学者

  • タレス Θαλής, Thalēs(BC624頃 – BC546頃)
タレス Θαλής, Thalēs
アナクシマンドロス Αναξιμανδρος, Anaximandros
アナクシメネス Άναξιμένης, Anaximenes of Miletus

その他のイオニア派

ヘラクレイトス Ἡράκλειτος, Hērakleitos
アナクサゴラス Αναξαγορας, Anaxagoras
アテネ大学のフレスコ画
アルケラオス Αρχέλαος, Archelaos
  • ヒッポン(詳細不明)

イタリア学派

イタリア半島南部(マグナ・グラエキア)を拠点としたギリシア哲学一派の総称

主としてピュタゴラス学派やエレア派の総称として用いることが多い

イオニア学派が専ら感覚に依拠する「自然哲学」を論じたのに対して、イタリア学派は専ら数学や論理に依拠する「数理哲学」「論理哲学」を論じた

ピュタゴラス派 ピュタゴラス教団

数学の研究を重んじた派と、宗教儀礼を重んじた派のふたつがあった

ピュタゴラス Πυθαγόρας, Pythagoras, Pythagoras
ピタゴラス像 ローマ・カピトリーノ美術館
クロトンのアルクマイオン Ἀλκμαίων, Alkmaion
フィロラオス Φιλόλαος, Philolaos
音楽用パイプで実験をするピタゴラスとフィロラオス
アルキタス Αρχύτας, Archytas

エレア派

初期ギリシアの神話への批判的精神と自由思想から形而上学をさせた

パルメニデス Παρμενίδης, Parmenidēs
  • クセノパネス(クセノファネス)Ξενοφάνης, Xenophanes(BC6世紀)
クセノパネス(クセノファネス)Ξενοφάνης Xenophanes
エレアのゼノン Ζήνων Έλεάτης, Zeno Eleates, Zeno of Elea
サモスのメリッソス Μέλισσος ὁ Σάμιος, Mélissos ó Sámios
『ニュルンベルク年代記』の挿絵に描かれたメリッソス

その他のイタリア派

エンペドクレス Ἐμπεδοκλῆς, Empedoclēs

原子論

自然はそれ以上分割できない最小単位としての原子(アトム)から成り立つとする理論・仮説。原子の存在やその運動の説明のため、「ケノン(空なるもの・空虚)」が存在すると考えた。生成消滅しない無数の原子と無辺の空虚が真に存在し、空虚における原子の結合分離の運動がさまざまな感覚的対象の存在やその生成変化などを生じさせるとした。

レウキッポス Λεύκιππος, Leukippos
デモクリトス Δημόκριτος, Democritus

ソフィストおよびソクラテス派

ソフィスト

ソフィストは教師の一種で、主に政治家や貴族の子供にアレーテ(卓越性、つまり美徳)を教えるための道具としての哲学や修辞を専門とした

  • ゴルギアス  Γοργίας, Gorgias of Leontini(,BC487 – BC376)
プロタゴラス  Πρωταγόρας, Protagoras
ケオスのプロディコス Πρόδικος ο Κείος', Prodicus of Ceos
プロディクスが語った寓話を描いたアンニーバレ・カラッチ作のヘラクレスの選択

ソクラテス派 アテナイ学派

西洋道徳哲学(倫理学)の祖

無知の知(不知の自覚)、問答法、弁証法、アレテー(徳/卓越性/有能性/優秀性)

  • ソクラテス Σωκράτης Sōkrátēs, Socrates(BC470頃 – BC399)
ソクラテス Σωκράτης Sōkrátēs, Socrates
アテネのクセノフォン(クセノポン) Ξενοφῶν, Xenophon

小ソクラテス派

ソクラテスの弟子たちが設立

エリス派/エレトリア派

心の中と、真理が識別したものによる心の鋭さの中に、すべての善を位置づけた。真理は否定命題で推論できず、肯定命題や単純命題によってのみできるとした

キニク派 キュニコス(犬儒)学派

人生の目標は幸福感(ユーダイモニア)と精神的明晰さ(ἁτυφια)であり、誤った信念・不用心さ・愚かさ・うぬぼれを意味する文字通り「まやかし(τύφος)からの解放」である

自然に即した生を実践する

禁欲主義、修辞学

アンティステネス Ἀντισθένης Antisthenēs
シノペのディオゲネス Διογένης Diogénēs Diogenes
テーバイのクラテス Κράτης Crates of Thebes
ドメニコ・フェッティのサークルにいた不詳の画家による
シラクサのモニモス Μόνιμος Monimus
キュレネ派

徹底的な現象主義と刹那的快楽主義

アリスティッポス Ἀρίστιππος, Aristippus
  • キュレネのアレテ Αρετή Κυρηνεία, Arete of Cyrene / Arate of Cyrene(BC5世紀後期 – BC4世紀初期)
キュレネのアレテ Αρετή Κυρηνεία Arete of Cyrene or Arate of Cyrene
メガラ派

論争術、問答法、論理学(ストア派の命題論理学の源流)、論理的な正しさを追求

メガラのエウクレイデス Ευκλείδης ο Μέγαρα, Eukleidēs o Megara
スティルポン(スティルポーン)Στίλπων Stilpōn Stilpo
『ニュルンベルク年代記』に描かれたスティルポン

アカデメイア派 初期プラトン学派

プラトンが学園を開設した場所が「アカデメイア」

イデア論:超越的で完璧な原型が存在して、それに対応する日常的な個々のものは原型の不完全な模造にすぎない

  • プラトン Πλάτων, Plátōn, Plato(BC427 – BC347)
プラトン Πλάτων, Plátōn, Plato
ラファエロ画「アテナイの学堂」 フレスコ画

古アカデメイア派 古アカデミー派

真理の表現として現れた学説の陳述や注釈に専心

スペウシッポス Σπεύσιππος Speusippus
17世紀に想像で描かれたスペウシッポス
クセノクラテス Ξενοκράτης Xenokratēs Xenocrates
  • クラントル Κράντωρ, Κράντορος, Crantor(BC276/5没)
  • ポレモン Πολέμων, Πολέμωνος, Polemon(BC314 – BC270)
ポレモン Πολέμων Πολέμωνος Polemon
ニュルンベルク年代記で中世の学者として描かれたポレモン
アテナイのクラテス Κράτης ο Αθηναίος Crates of Athens

中期アカデメイア派 中アカデミー派

アカデメイア派懐疑主義

アルケシラオス Ἀρκεσίλαος, Arcesilaus

新アカデメイア派 新アカデミー派

真理性そのものに関心をもち、おおむね批判的・懐疑的傾向をもつようになった

カルネアデスの板(カルネアデスの舟板)

カルネアデス Καρνεάδης, Carneades, Karneades
  • クレイトマコス Κλειτόμαχος, Kleitómakhos, Clitomachus / Cleitomachus(BC187/6 – BC110/9)
  • カルマダス Χαρμάδας, Charmides (Χαρμίδης), Charmadas(BC168/7 – BC103/91)
  • ラリッサのフィロン Φίλων ὁ Λαρισσαῖος, Philon ho Larissaios, Philon of Larissa(BC159/8 – BC84/3)

末期アカデメイア派

続アテナイ学派 ヘレニズム哲学

前4紀末から前1世紀までのヘレニズム時代のギリシア哲学。また、これを継いだ6世紀までのローマ哲学を含む場合もある

ペリパトス派 逍遥学派

物の究極的基盤を理解するために実験が必要
人生の目的は有徳な行動からくる幸福
有徳な行動は超過と不足の間にある中庸を保つことからなる

アリストテレス Ἀριστοτέλης, Aristotelēs
テオプラストス Θεόφραστος Theόphrastos, Theophrastus
ニュルンベルク年代記で中世の学者として描かれるストラト
トロアスのリュコン Λύκων, Lýkōn, Λύκωνος, Lyco of Troas
ニュルンベルク年代記に中世の学者として描かれているトロアスのリュコン
タランタスのアリストクセノス Ἀριστόξενος ὁ Ταραντίνος, Aristoxenus of Tarentum
後代の人が想像で描いたアリストクセノスの肖像画
ディカイアルコス Δικαίαρχος Dikaiarkhos, Dicaearchus of Messana

懐疑学派 懐疑主義

独断や断定を退け、あらゆる事柄についての積極的な判断・主張を控える立場
心の乱れの原因となる判断を停止すること(エポケー)で得られる心の平静(アタラクシア)を得ることができる

古懐疑派 ピュロン主義

エリスのピュロン Πύρρων, Pyrrōn, Pyrrho
ローマ時代の複製、コルフ考古学博物館
プリウスのティモン Τίμων ὁ Φλιάσιος, Tímōn ho Phliásios, Τίμωνος, Tímōnos

新懐疑派

セクストゥス・エンピリクス Σέξτος Ἐμπειρικός, Sextos Empeiricos, Sextus Empiricus

ストア派 ストア哲学

知者(道徳的・知的に完全な人)は、判断の誤りから生まれる破壊的な衝動などに苛まされることはない
世界の統一的な説明を形式論理学、非二元論的自然学、自然主義的倫理学によって構築

前期ストア派

キプロスのゼノン Ζήνων Zēnōn ,Zeno of Citium(BC335 - BC263)
ゼノン胸像(プーシキン美術館)
アッソスのクレアンテス Κλεάνθης, Cleanthes
1605 年からの彫刻
ヘレニズム時代のクリュシッポスの胸像のローマ時代の複製。大英博物館

中期ストア派

  • ストア派のディオドロス(BC120頃 – BC59)

後期ストア派

マルクス・ポルキウス・カト・ウティケンシス Marcus Porcius Cato Uticensis, Cato the Younger
ルキウス・アンナエウス・セネカ Lucius Annaeus Seneca
プラド美術館
想像画

ローマ皇帝(五賢帝の一人)

アウレリウス胸像(メトロポリタン美術館所蔵)

エピクロス派

真の快とは、精神的なものであって徳と不可分であり、節制に基づく、心の平安である
「パンと水さえあればゼウスと幸福で勝つこともできる」

エピクロス Επίκουρος, Epikouros
ランプサコスの小メトロドロス Metrodorus of Lampsacus, Μητρόδωρος Λαμψακηνός, Mētrodōros Lampsakēnos
ティトゥス・ルクレティウス・カルス Titus Lucretius Carus

折衷学派 折衷主義

一つの教義だけを採用するのではなく既存の哲学的信念のうちからその教義が最も合理的だと思えるものを選んでくるような哲学体系

マルクス・テレンティウス・ウァッロ Marcus Terentius Varro
マルクス・トゥッリウス・キケロ Marcus Tullius Cicero
ルキウス・アンナエウス・セネカ Lucius Annaeus Seneca
プラド美術館

新ピュタゴラス派 新ピタゴラス主義

ギリシア哲学に宗教的要素をもたらそうと試みた
魂を浄化するため禁欲生活を送ることで神を崇拝し、身体的快楽やあらゆる感覚的刺激を無視した

テュアナのアポロニオス Ἀπολλώ νιος ὁ Τυανεύς, Apollōnios ho Tyaneus
音楽の発明者としてのプラトン (左) とニコマコス (右)、12 世紀の写本から

中期プラトン学派 中期プラトン主義 中期プラトニズム

プラトニズムにストア主義や逍遥学派の教義を導入

アレクサンドリアのフィロン Philon Alexandrinus, יוסף בן פילון האלכסנדרוני
プルタルコス Πλούταρχος, Plutarchus
ロンギヌス Cassius Longinus, Κάσσιος Λογγῖνος

古代ユダヤ哲学 ヘレニズム・ユダヤ教

ギリシア哲学の知識をユダヤ教思想の解釈に適用

  • アレクサンドリアのフィロン Philon of Alexandria, יוסף בן פילון האלכסנדרוני(BC20/30? – 40/45AD?)➡中期プラトン学派/中期プラトン主義/中期プラトニズム
アレクサンドリアのフィロン Philon of Alexandria, יוסף בן פילון האלכסנדרוני

ヘレニズム・キリスト教 アレクサンドリア学派

アレクサンドリアを中心とするキリスト教神学の一派。3~5世紀に栄えた。

アレクサンドリアのクレメンス、ティトゥス・フラウィウス・クレメンス Titus Flavius Clemens
オリゲネス Origenes Adamantius

新プラトン学派 新プラトン主義 ネオプラトニズム

万物は一者から流出したもの(流出説)
存在の極致は万物の根源である一者つまり善
美徳と瞑想によって魂は力を得て自らを上昇させ一者との合一に至る

プロティノス(プロチノス) Πλωτῖνος, Plotinus, Plotinus
テュロスのポルピュリオス Πορφύριος, Porphyry of Tyre
Porphire Sophiste16世紀フランス、彫版
カルキスのイアンブリコス Ἰάμβλιχος, Iamblichos, Iamblichus

ローマ皇帝

フラウィウス・クラウディウス・ユリアヌス Flavius Claudius Julianus
ヒュパティア Ὑπατία, Hypatia
アンブロシウス・テオドシウス・マクロビウス Ambrosius Theodosius Macrobius
プロクロス Πρόκλος, Proklos, Proclus
『ユークリッド原論第一巻註解』ルネサンス期の刊本

参考リンク

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