ドイツ哲学の特徴
中世以来のゲルマン的伝統に対する誇りを持ちつつ、英仏といった近代的な先進国に対する憧憬という二律背反性、または「非同時的なものの共存」というドイツ文化特有の特徴がみられる。そういう環境からの影響は、ドイツの思索を観念的・抽象的なものとするとともに、ロマン主義的・理想主義的なものとし、ドイツ哲学はきわめて内面的である。
中世
- ヤコブ・ベーメ Jakob Böhme(1575 – 1624)
キリスト教神智学を確立したルター派の哲学者、ドイツで最初の哲学者とされる。
啓蒙期の哲学 ライプニッツ・ヴォルフ派
- ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ Gottfried Wilhelm Leibniz(1646 – 1716)
- クリスティアン・ヴォルフ Christian Wolff(1679 – 1754)
- ゲオルク・ベルンハルト・ビルフィンガー Georg Bernhard Bilfinger(1693 ‐ 1750)
- ルートヴィヒ・フィリップ・テュミヒ Ludwig Philipp Thümmig(1697 ‐ 1728)
- アレクサンダー・ゴットリープ・バウムガルテン Alexander Gottlieb Baumgarten(1714 – 1762)
- ゲオルク・フリードリヒ・マイアー Georg Friedrich Meier(1718 ‐ 1777)
- フリードリヒ・ハインリヒ・ヤコービ Friedrich Heinrich Jacobi(1743 – 1819)
敬虔主義
17世紀後半から18世紀前半のドイツで興ったドイツプロテスタント教会(ルター教会)の正統主義信仰の教義化および形式化に反対して起ったプロテスタント信仰復興運動。宗教体験、実践の強調と自由な信徒集会(コレギア・ピエタティス)の形成が特徴。
- フィリップ・ヤーコブ・シュペーナー Philipp Jakob Spener(1635 – 1705)
- アウグスト・ヘルマン・フランケ August Hermann Francke(1663 – 1727)
- ヨハン・アルブレヒト・ベンゲル Johann Albrecht Bengel(1687 – 1752)
- ニコラウス・ルートヴィヒ・フォン・ツィンツェンドルフ・ウント・ポッテンドルフ伯爵 Nikolaus Ludwig von Zinzendorf und Pottendorf(1700 – 1760)
- フリードリヒ・クリストフ・エティンガー Friedrich Christoph Oetinger(1702 – 1782)
カント哲学
『純粋理性批判』『実践理性批判』『判断力批判』の三批判書を発表し、批判哲学を提唱。
- イマヌエル・カント Immanuel Kant(1724 – 1804)
ドイツ観念論
カント哲学に存する感性界と超感性界、自然界と精神界の二元論的な立場を超えて、これを絶対者の概念を媒介として統一しようとした。
- ヨハン・ゴットリープ・フィヒテ Johann Gottlieb Fichte(1762 – 1814)
- カール・ヴィルヘルム・フォン・フンボルト Friedrich Wilhelm Christian Karl Ferdinand Freiherr von Humboldt(1767 – 1835)
- フリードリヒ・ダニエル・エルンスト・シュライアマハー / シュライエルマッハー Friedrich Daniel Ernst Schleiermacher(1768 – 1834)➡解釈学
- フリードリヒ・ヴィルヘルム・ヨーゼフ・フォン・シェリング Friedrich Wilhelm Joseph von Schelling(1775 – 1854)
- カール・レオンハルト・ラインホルト Karl Leonhard Reinhold(1757 – 1823)
- フリードリヒ・ヘルダーリン Johann Christian Friedrich Hölderlin(1770 – 1843)
- ヨハン・フリードリヒ・ヘルバルト Johann Friedrich Herbart(1776 – 1841)
- カール・ヴィルヘルム・フェルディナント・ゾルガー Karl Wilhelm Ferdinand Solger(1780 – 1819)
- アルトゥール・ショーペンハウアー Arthur Schopenhauer(1788 – 1860)➡生の哲学
- フリードリヒ・ヴィルヘルム・ニーチェ Friedrich Wilhelm Nietzsche(1844 – 1900)➡生の哲学/実存主義
ヘーゲル学派
観念論哲学、弁証法的論理学、止揚(しよう:Aufheben, アウフヘーベン)。アカデミーに参加することのできなかったヘーゲルが、シュライエルマハーに対抗するために設立した集団。
- ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲル Georg Wilhelm Friedrich Hegel(1770 – 1831)
ヘーゲル学派(第一世代)
厳密な分類ではなく、特に中央派と右派に関しては流動的。学派の分裂を促したダーフィト・シュトラウスのほか、20世紀の哲学者カール・レーヴィットなども分類を試みている。
老ヘーゲル派・旧ヘーゲル派(右派)
政治的・宗教的に保守的な立場で、ヘーゲル哲学を墨守。ヘーゲルの主張する哲学と宗教の同一性を受容し、哲学と宗教の関係は、おなじ内容を哲学は概念、宗教は表象によって把握するものであるとした。
- フィリップ・マールハイネッケ Philip Konrad Marheineke(1780 – 1846)
- カール・フリードリヒ・ゲッシェル Karl Friedrich Göschell(1781 – 1861)
- カール・ダウプ Karl Daub(1765 – 1836)
- ゲオルク・アンドレアス・ガプラー Georg Andreas Gabler(1786 – 1853)
- レオポルト・フォン・ヘニング Leopold von Henning(1791 – 1866)
- ヘルマン・フリードリヒ・ヒンリヒス Hermann Friedrich Wilhelm Hinrichs(1794 – 1861)
- エードゥアルト・ガンス Eduard Gans(1797 – 1839)
- ハインリヒ・レオ Heinrich Leo(1799 – 1878)
- ハインリヒ・グスタフ・ホトー Heinrich Gustav Hotho(1802 – 1873)
ヘーゲル中央派(中央派)
哲学と宗教とは異なる「内容」を異なる「形式」で捉え、福音書の歴史の全否定はせず、一部は受け入れるという中間の見解を示す。
- カール・ルートヴィヒ・ミヘレット Karl Ludwig Michelet(1801 – 1893)
- ヨハン・カール・ローゼンクランツ Johann Karl Friedrich Rosenkranz(1805 – 1879)
- ユリウス・シャラー Julius Schaller(1810 – 1868)
- ヨハン・エドゥアルト・エルトマン Johann Eduard Erdmann(1805 – 1892)
- ヴィルヘルム・ファトケ Johann Karl Wilhelm Vatke(1806 – 1882)
青年ヘーゲル派(左派)
ヘーゲルの哲学に対し、政治・宗教的に急進的な考え方を持つ。福音書の中の全歴史を史実して全く受け入れるべきではないとした。
- ダーフィト・シュトラウス David Friedrich Strauß(1808 – 1874)
- ブルーノ・バウアー Bruno Bauer(1809 – 1882)
- ルートヴィヒ・アンドレアス・フォイエルバッハ Ludwig Andreas Feuerbach(1804 – 1872)
- マックス・シュティルナー Max Stirner(1806 – 1856)
- カール・マルクス Karl Marx(1818 – 1883)➡マルクス主義
- フリードリヒ・エンゲルス Friedrich Engels(1820 – 1895)➡マルクス主義
- エトガー・バウアー Edgar Bauer(1820 – 1886)
- アルノルト・ルーゲ Arnold Ruge(1802 – 1880)
ヘーゲル学派 (第二世代)
ヘーゲル学派が解体した後の19世紀後半にヘーゲルの研究に従事していた。観念論哲学研究を受け継ぎ、新ヘーゲル主義とを結ぶ大事な架け橋を担った。当時隆盛していた歴史主義的な見方との結びつきも見られた。
- ルドルフ・ハイム Rudolf Haym(1821 – 1901)
- クーノ・フィッシャー Ernst Kuno Berthold Fischer(1824 – 1907)
- ヘルマン・ノール Herman Nohl(1879 – 1960)
新ヘーゲル主義(第三世代)
19世紀末から20世紀前半において、ドイツ観念論の哲学者ヘーゲルの哲学を見直し、ヘーゲルの学説とその精神に近づこうとした一群の欧米の哲学者。新カント派に属されるべき人物もいるし、哲学他の分野にも業績のある人物や歴史学・政治学にも業績がある人物もいる。
- バルテュス・ウィガースマン
- トーマス・ヒル・グリーン Thomas Hill Green(1836 – 1882)
- セオドア・リット Theodor Litt(1880 – 1962)
- セオドア・ヘリング Theodor Lorenz Haering(1884 – 1964)
- リヒャルト・クローナー Richard Kroner(1884 – 1974)
- ハンス・フライヤー Hans Freyer(1887 – 1969)
- ハーマン・グロックナー Hermann Glockner(1896 – 1979)
- ブランド ブランシャール
- バーナード・ボサンケット Bernard Bosanquet( 1848 – 1923)
- フランシス・ハーバート・ブラッドリー Francis Herbert Bradley(1846 – 1924)
- G. J. P. J. ボーランド Gerardus Johannes Petrus Josephus Bolland(1854 – 1922)
- ジョサイア・ロイス Josiah Royce(1855 – 1916)
- ベネデット・クローチェ Benedetto Croce(1866 – 1952)
- ジョヴァンニ・ジェンティーレ Giovanni Gentile(1875 – 1944)(当初)
- ジョン・マクタガート エリス・マクタガート John McTaggart Ellis McTaggart(1866 – 1925)
- ユリウス・ビンダー Julius Binder(1870 – 1939)(法哲学者)
- カール・ラーレンツ Karl Alfred Rudolf Larenz(1903 – 1993)(法哲学者)
- ゲルハルト・ドゥルケイト Gerhard Dulckeit(1904 – 1954)(法史家)
- ヨーゼフ・コーラー Josef Kohler(1849 – 1919)(法学者)
ヘーゲル学派 (第四世代)
戦後から現代まで引き継がれている。
弁証法的唯物論 唯物弁証法
唯物弁証法とは、弁証法的に運動する物質が精神の根源であるという考え方。弁証法的唯物論を歴史・社会へ適用したものが史的唯物論であるとみなされるか、もしくは、広義の自然弁証法と弁証法的唯物論が同一のものとされて、史的唯物論が適用されたものになる。
- ヨセフ・ディーツゲン Joseph Dietzgen(1828 – 1888)
科学的唯物論
唯物論の変種で、ドイツの理想主義の哲学体系設計と、社会的に支配的なキリスト教の理想主義に対する過激で大衆的な反対運動を形成した世界観。19世紀の急速な科学的および技術的発展の成功と、チャールズ・ダーウィンの進化論を結び付けた。
- カール・フォークト August Christoph Carl Vogt(1817 – 1895)
- ハインリヒ・チョルベ Heinrich Czolbe(1819 – 1873)
- ヤコブ・モレショット/モレスコット Jakob Moleschott, Jacob Moleschott(1822 – 1893)
- ルートヴィヒ・ビューヒナー Ludwig Friedrich Büchner, Karl Ludwig(1824 – 1899)
講壇社会主義 Kathedersozialismus
ドイツの歴史学派経済学者たちが社会改良政策によって社会問題の解決を図ることを主張し、マルクス主義を否定し、資本主義と国家を革命的に打倒することなく、改革を通じてプロイセンのドイツに人民国家を建設できることを証明しようとした。大学の講壇に立つ者が唱える社会主義という皮肉を込めて講壇社会主義という蔑称が自由主義経済学者から命名された。ドイツ社会民主党の躍進に脅威を感じたビスマルクの支持を得てから急速に経済学界を支配したが、ワーグナーに代表される右派、ブレンターノに代表される左派、シュモラーに代表される中間派に分かれた。
- ブルーノ・ヒルデブラント Bruno Hildebrand(1812 – 1878)
- アドルフ・ワーグナー Adolf Heinrich Gotthilf Wagner(1835 – 1917)
- グスタフ・フォン・シュモラー Gustav von Schmoller(1838 – 1917)
- ルヨ・ブレンターノ Lujo Brentano(1844 – 1931)
- ハンス・デルブリュック Hans Delbrück(1848 – 1929)
- フェルディナント・テンニース Ferdinand Tönnies(1855 – 1936)
- ヴェルナー・ゾンバルト Werner Sombart(1863 – 1941)
- ヨハン・プレンゲ Johann Max Emanuel Plenge(1874 – 1963)
マルクス主義
ヘーゲル弁証法とフォイエルバッハ唯物論を結合させるために「階級闘争」という新しい観念を構築、資本を社会の共有財産に変えることによって、労働者が資本を増殖するためだけに生きるという、賃労働の悲惨な性質を廃止し、階級のない協同社会を目指す。
- モーゼス・ヘス Moses Hess(1812 – 1875)
- カール・マルクス Karl Marx(1818 – 1883)➡青年ヘーゲル派(左派)
- フリードリヒ・エンゲルス Friedrich Engels(1820 – 1895)➡青年ヘーゲル派(左派)
- フェルディナント・ラッサール Ferdinand Johann Gottlieb Lassalle(1825 – 1864)
- アントニオ・ラブリオーラ
- フランツ・メーリング Franz Mehring(1846 – 1919)
- ローザ・ルクセンブルク Rosa Luxemburg, Róża Luksemburg(1871 – 1919)
修正主義(ベルンシュタイン主義)
プロレタリアートは非合法手段による国家権力の奪取ではなく議会制民主主義を通じた社会改良を目指すべきとする。
- エドゥアルト・ベルンシュタイン Eduard Bernstein(1850 – 1932)
教条主義(カウツキー主義)
正統派マルクス主義とも呼ぶ。修正主義を批判。
- カール・カウツキー Karl Johann Kautsky(1854 – 1938)
- ゲオルギー・プレハーノフ Георгий Валентинович Плеханов, Georgij Valentinovich Plekhanov(1856 – 1918)【露】
左派修正主義(ソレル主義)
マルクス主義の原則のうち暴力革命と階級闘争を重視する一方でプロレタリア国際主義や唯物論を修正した独自の動きで、革命的サンジカリズムと結びついた。
- ジョルジュ・ソレル Georges Sorel(1847 – 1922)【仏】
レーニン主義
マルクス・レーニン主義とも呼び、帝国主義論・プロレタリア独裁・永続革命論など、ロシア革命を成功させたボリシェヴィキを導いたレーニンの思想を中心とする。
- ウラジーミル・レーニン Влади́мир Ильи́ч Ле́нин(1870 – 1924)【露】
精神分析学
精神分析は、人間には無意識の過程が存在し、人の行動は無意識によって左右されるという基本的な仮説に基づくその病理の観察・解明方法であり、治療方法。無意識の概念はヘーゲルが前提とした近代的で理性的な個人という前提を根本から覆すことになる。無意識の概念や精神分析はやがて生の哲学やフランクフルト学派の批判理論と合流する。
- ジークムント・フロイト Sigmund Freud(1856 – 1939)
- アンナ・フロイト Anna Freud(1895 – 1982)
- カール・アブラハム Karl Abraham(1877 – 1925)
- アーネスト・ジョーンズ Ernest Jones(1879 – 1958)【英】
- メラニー・クライン Melanie Klein(1882 – 1960)【墺】
- ドナルド・ウィニコット Donald Woods Winnicott(1896 – 1971)【英】
- ウィルフレッド・ビオン Wilfred Ruprecht Bion(1897 – 1979)【印】
- ジャック・ラカン Jacques-Marie-Émile Lacan(1901 – 1981)【仏】
新フロイト派
フロイトの性的衝動(リビドー)の考え方を批判してフロイトから離反し、第一次世界大戦前ごろからそれぞれ新しい個人心理学、分析的心理学を樹立。
- アルフレッド・アドラー Alfred Adler(1870 – 1937)
- カール・グスタフ・ユング Carl Gustav Jung(1875 – 1961)【瑞】
- フェレンツィ・シャーンドル Ferenczi Sándor(1873 – 1933)【洪】
- ヴィルヘルム・ライヒ Wilhelm Reich(1897 – 1957)【墺】
- オットー・ランク Otto Rank, Otto Rosenfeld(1884 – 1939)【墺】
- カレン・ホーナイ Karen Horney(1885 – 1952)
- エーリヒ・フロム Erich Seligmann Fromm(1900 – 1980)➡フランクフルト学派
- アン・サリヴァン Anne Sullivan, Annie Sullivan Macy, Johanna Mansfield Sullivan Macy(1866 – 1936)【米】
- サンダー・ラドー Sándor Radó(1890 – 1972)【洪】
- ハラルド・シュルツ・ヘンケ Harald Schultz-Hencke(1892 – 1953)
唯物論者・実証主義
- グスタフ・テオドール・フェヒナー Gustav Theodor Fechner(1801 – 1887)
- ヘルマン・フォン・ヘルムホルツ Hermann Ludwig Ferdinand von Helmholtz(1821 – 1894)
- ヴィルヘルム・マクシミリアン・ヴント Wilhelm Maximilian Wundt(1832 – 1920)
- オイゲン・カール・デューリング Eugen Karl Dühring(1833 – 1921)
- エルンスト・ヴァルトフリート・ヨーゼフ・ヴェンツェル・マッハ Ernst Waldfried Josef Wenzel Mach(1838 – 1916)【墺】
- エドゥアルト・フォン・ハルトマン Karl Robert Eduard von Hartmann(1842 – 1906)
- リヒャルト・ハインリヒ・ルートヴィヒ・アヴェナリウス Richard Heinrich Ludwig Avenarius(1843 – 1896)
- ハンス・ファイヒンガー / ファイインガー Hans Vaihinger(1852 – 1933)
生の哲学 人生哲学
19世紀以後の生物学革命・進化論に呼応しつつ、生まれた哲学的潮流。特徴は、「生」「生命」を強調して、抽象的、観念的合理性に対して批判的な姿勢をとる。
- アルトゥール・ショーペンハウアー Arthur Schopenhauer(1788 – 1860)➡ドイツ観念論
- フリードリヒ・ヴィルヘルム・ニーチェ Friedrich Wilhelm Nietzsche(1844 – 1900)➡ドイツ観念論/実存主義
- ヴィルヘルム・ディルタイ Wilhelm Christian Ludwig Dilthey(1833 – 1911)➡解釈学
- ルドルフ・クリストフ・オイケン Rudolf Christoph Eucken(1846 – 1926)
- ゲオルク・ジンメル Georg Simmel(1858 – 1918)
- アンリ・ベルクソン Henri-Louis Bergson(1859 – 1941)【仏】
- ホセ・オルテガ・イ・ガセット José Ortega y Gasset(1883 – 1955)【西】
新カント派
カント的な現象と物自体との厳密な区別を再評価し、例えば自然科学のようないわゆる「経験科学」によって物自体が認識できるという独断論を批判した。
- ヤーコプ・フリードリヒ・フリース Jakob Friedrich Fries(1773 – 1843)
- ヘルマン・ロッツェ Hermann Lotze(1817 – 1881)
- フリードリヒ・アルベルト・ランゲ Friedrich Albert Lange(1828 – 1875)
マールブルク学派
自然科学をはじめとする人間の認識を対象とする認識批判。科学的認識の基礎づけを試み、空間・時間をも直観でなく思考のカテゴリーと見た。
- オットー・リープマン Otto Liebmann(1840 – 1912)
- ヘルマン・コーエン Hermann Cohen(1842 – 1918)
- パウル・ゲルハルト・ナトルプ Paul Gerhard Natorp(1854 – 1924)
- エルンスト・カッシーラー Ernst Cassirer(1874 – 1945)➡哲学的人間学
バーデン学派 西南ドイツ学派
認識論と価値論を包括した価値哲学を構想。価値哲学による人文・社会科学の基礎づけという形で、超越論的視点からする人間の主観による対象のなんらかの意味での能動的構成に注目する。
- ヴィルヘルム・ヴィンデルバント Wilhelm Windelband(1848 – 1915)
- ハインリヒ・ヨーン・リッケルト Heinrich John Rickert(1863 – 1936)
- エミール・ラスク Emil Lask(1875 – 1915)
歴史哲学
- オスヴァルト・シュペングラー Oswald Arnold Gottfried Spengler(1880 – 1936)
新マルクス主義
マルクス主義とマルクス主義理論を修正または拡張する20世紀のアプローチを含むマルクス主義の学派。
- エルンスト・ブロッホ Ernst Simon Bloch(1885 – 1977)
フランクフルト学派
マルクス主義を進化させ、これにヘーゲルの弁証法とフロイトの精神分析理論の融合を試みた、批判理論によって啓蒙主義を批判する社会理論や哲学を研究したグループ。道具的理性という概念を提唱。
第1世代
- マックス・ホルクハイマー Max Horkheimer(1895 – 1973)
- テオドール・ルートヴィヒ・アドルノ=ヴィーゼングルント Theodor Ludwig Adorno-Wiesengrund(1903 – 1969)
- ヴァルター・ベンディクス・シェーンフリース・ベンヤミン Walter Bendix Schoenflies Benjamin(1892 – 1940)
- エーリヒ・フロム Erich Seligmann Fromm(1900 – 1980)➡新フロイト派
- ヘルベルト・マルクーゼ Herbert Marcuse(1898 – 1979)
- フランツ・レオポルド・ノイマン Franz Leopold Neumann(1900 – 1954
- フリードリヒ・ポロック Friedrich Pollock(1894 – 1970)
- カール・ウィットフォーゲル Karl August Wittfogel(1896 – 1988)
- レオ・レーヴェンタール Leo Löwenthal(1900 – 1993)
- フランツ・ボルケナウ Franz Borkenau(1900 – 1957)
第2世代
- ユルゲン・ハーバーマス Jürgen Habermas(1929 – )
- アルフレート・シュミット Alfred Schmidt(1931 – 2012)
- オスカー・ネークト
第3世代
- アクセル・ホネット Axel Honneth(1949 – )
- アレックス・デミロビッチ
- グンツェン・シュミット
- ヨッヘン・ヘーリッシュ
- ゲールハルト・シュベッポンホイザー
第4世代
- ノルベルト・ボルツ Norbert Bolz(1953 – )(後にフランクフルト学派を批判)
大陸哲学
解釈学
様々なテクストを解釈する文献学的な技法の理論、あるいは「解釈する」「理解する」「読む」という事柄に関する体系的な理論。語る者と受け取る者の基本的な関係は精神ではなく、「言語」であり、その基本条件をなす規則を相互の完全な連関を含む形で抽出するのが解釈学の一般理論である。
- フリードリヒ・ダニエル・エルンスト・シュライアマハー / シュライエルマッハー Friedrich Daniel Ernst Schleiermacher(1768 – 1834)➡ドイツ観念論
- ヴィルヘルム・ディルタイ Wilhelm Christian Ludwig Dilthey(1833 – 1911)➡生の哲学
- マルティン・ハイデッガー/ ハイデガー Martin Heidegger(1889 – 1976)
- ハンス=ゲオルク・ガダマー/ガーダマー Hans-Georg Gadamer(1900 – 2002)
- ポール・リクール Paul Ricoeur(1913 – 2005)【仏】
- エドゥアルト・シュプランガー Eduard Spranger(1882 – 1963)
現象学
事実として存在する対象とは区別された純粋意識の体験としての現象について、その本質構造を記述する。
- フランツ・ブレンターノ Franz Clemens Honoratus Hermann Brentano(1838 – 1917)
- アレクシウス・マイノング Alexius Meinong Ritter von Handschuchsheim(1853 – 1920)
- エトムント・グスタフ・アルブレヒト・フッサール Edmund Gustav Albrecht Husserl(1859 – 1938)
- マックス・シェーラー Max Scheler(1874 – 1928)➡哲学的人間学
- ニコライ・ハルトマン Nicolai Hartmann, Nikolajs Hartmanis(1882 – 1950)
- オスカー・ベッカー Oskar Joachim Becker, Oskar Becker(1889 – 1964)
- ハンス・リップス Hans Lipps(1889 – 1941)
- ヘルムート・プレスナー Helmuth Plessner(1892 – 1985)【典】➡哲学的人間学
- ローマン・インガルデン Roman Witold Ingarden(1893 – 1970)【波】
- アルフレッド・シュッツ/アルフレート・シュッツ Alfred Schütz(1899 – 1959)【墺】
- ルートヴィヒ・ラントグレーベ Ludwig Landgrebe(1902 – 1991)【墺】
- オイゲン・フィンク Eugen Fink(1905 – 1975)
- マックス・ミューラー Max Müller(1906 – 1994)
- エマニュエル・レヴィナス Emmanuel Lévinas(1906 – 1995)【仏】➡実存主義