概要
アラブ・マグレブ連合は、北アフリカの5か国(アルジェリア、リビア、モーリタニア、モロッコ、チュニジア)が経済協力を目的として1989年に設立した経済協力機構で、将来の政治的統一を目的としたアフリカにある地域準機構のひとつである。本部はモロッコのラバトにある。
- 英語 AMU: Arab Maghreb Union
- 仏語 UMA: Union du Maghreb Arabe
(マグレブ(マブリブ)とは、アラビア語で「日が没すること/ところ」で、”西方”との意味を持つ)
アラブ・マグレブ連合は、加盟国間の経済・文化協力を促進し、ヒト、モノ、カネ、サービスの移動を自由化することを目的とし、EC型の共同市場の創設を目指しており、アルジェリアとリビアが産油国、その他の国々が主にEUからの投資受け入れ国、EUへの輸出基地として注目されている。
AMU諸国内の貿易は1989年の約23億ディアルから、1991年には約66億ディアルへと2年間で約3倍増した。しかし、西サハラ問題をはじめさまざまな点で意見の相違から、1993年2月のAMU外相会議で地域機関創設の延期を決定された。
2008年7月3日以降、ハイレベル会合は開催されておらず、ほぼ休眠状態にあるとみなされていることも多い。
アフリカ連合(AU)には、1991年のアブジャ条約に基づき、地域経済共同体(RECs: the Regional Economic Communities)と呼ばれる8つのサブ地域組織が設定されており、AMU/UMAはそのうちのひとつである。
地域経済共同体(RECs)は、自由貿易地域、関税同盟、単一市場、中央銀行、共通通貨の創設を目指して経済通貨同盟を確立ことを目的とするアフリカ連合(AU)を構成するアフリカ経済共同体(AEC: African Economic Community )の8つの柱でもある。
- サヘル・サハラ諸国国家共同体(CEN-SAD)
- 東アフリカと南部アフリカの共通市場(COMESA)
- 東アフリカ共同体(EAC)
- 中央アフリカ諸国経済共同体(ECCAS/CEEAC)
- 西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)
- 政府間開発機関(IGAD)
- 南部アフリカ開発共同体(SADC)
- アラブ・マグレブ連合(AMU/UMA)
沿革と活動
- 1988.6.10 アルジェリアのゼラルダに5か国の首脳によりマグレブ首脳会議、アラブ・マグレブ連合の設立を合意
- 1989.2.17 マラケシュ条約が締結、アラブ・マグレブ連合が設立
加盟国
モーリタニア・イスラム共和国
Islamic Republic of Mauritania
- 国土面積は1,030,700km2(日本の約2.7倍)で世界28位、人口は416万人で世界129位
- 共和制、直接選挙で選出される大統領が国家元首、国民議会の一院制
- 名目国内総生産(GDP)は世界147位、購買力平価(PPP)で世界144位
●首都
ヌアクショット
モロッコ王国
Kingdom of Morocco
- 国土面積は446,550km2(日本の約1.2倍、西サハラ除く)で世界57位、人口は3691万人で世界40位
- 立憲君主制、国王が国家元首、議院内閣制、上院・下院の二院制
- 名目国内総生産(GDP)は世界位、購買力平価(PPP)で世界55位
●首都
ラバト
アルジェリア民主人民共和国
People’s Democratic Republic of Algeria
- 国土面積は2,381,740km2(アフリカ最大)で世界10位、人口は4385万人で世界34位
- 共和制、直接選挙で選出される大統領が国家元首、大統領が首相を任命、上院・下院の二院制
- 名目国内総生産(GDP)は世界56位、購買力平価(PPP)で世界33位
●首都
アルジェ
チュニジア共和国
Republic of Tunisia
- 国土面積は163,610km2(日本の約5分の2)で世界89位、人口は1182万人で世界77位
- 共和制、直接選挙で選出される大統領が国家元首で行政府の長、首相は大統領が任命、人民議会の一院制
- 名目国内総生産(GDP)は世界89位、購買力平価(PPP)で世界76位
●首都
チュニス
リビア国
State of Libya
- 国土面積は1,759,540km2(日本の約4.6倍)で世界17位、人口は699万人で世界104位
- 内戦中だが2021年に代議院と国民合意政府との合意により、国民統一政府が発足、元首は大統領評議会議長、代議院の一院制
- 名目国内総生産(GDP)は世界90位、購買力平価(PPP)で世界92位
●首都
トリポリ
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