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その他の計画策定ツールとテクニック Other Planning Tools & Techniques

その他の計画策定ツールとテクニック Other Planning Tools & Techniques マネジメント
その他の計画策定ツールとテクニック Other Planning Tools & Techniques

その他の計画策定ツールとテクニック Other Planning Tools & Techniques

状況分析(Situation Anaysis)

状況分析は、業績や戦略の選択に影響を及ぼすと考えられている、組織内外の要因を体系的の収集・評価するものである。また、自社の現在または将来の強み・弱み・市場機会・脅威についても評価する。

戦略的計画プロセスにおいて、ステップ2:外部環境分析、ステップ3:内部環境分析、ステップ4:戦略策定(SWOT分析)では、自社組織の外部・内部の環境分析を行い、戦略の選択と策定を自社の強みを伸ばし、弱みと限界を克服し、脅威に対抗しながら市場機会の利用を模索する。こういう分析のやり方は十分に状況分析のものといえる。

PEST分析(PEST Anaysis)

PEST分析は状況分析の1種といえる。

PESTとは、Political, Economic, Social, and Technological factors” のことで、戦略策定において分析すべき対象領域を意味する。

政治的要因(Political)は、諸国政府の行動様式を指す。政治要因そのものは経営の管轄外である。だから、企業経営は政治の変化がどのような変化を自社にもたらすのかを十分に理解する必要がある。

いくつかを例示すれば、下記のようになる。

  • 貿易規制(価格統制、関税など)
  • 賃金規定(最低賃金制度など)
  • 国内政治の安定性/不安定性(国内政治の不安定性は、消費習慣を変える)
  • 製品ラベル要求
  • 労働安全衛生法における規制

経済的要因(Economic)には、外国為替レートの変動、インフレ/デフレ、金利変動、経済成長/経済収縮など、企業経営に影響を及ぼすものが含まれる。

  • 従業員の習熟度・スキルレベル、賃金水準
  • 失業率(高失業率は、消費需要に大きく影響を及ぼす)
  • 景気循環、好況/不況(消費需要の大小にかかわる)
  • 事業を営む基盤となる経済体制(自由主義経済、計画経済など)
  • 政府によるあらゆる市場介入政策

社会的要因(Social)には、その国の風土・文化、人口成長率、平均年齢と年齢分布、国民による健康と職業的キャリアへの関心度など、企業が提供する製商品・サービスへの需要行動を大きく左右するものが含まれる。

その他のものについては、

  • 居住地・従業地・通学地などの人口動態
  • 職種別の教育水準・教育費・可処分所得
  • 環境問題への態度・関心度
  • レジャー・娯楽へに態度・関心度

技術要因(Technological)は、企業が将来のためにフォーカスしておくべき技術がどんなものであるべきかを教えてくれるものである。

  • 日常的業務や顧客・サプライヤとの物流・相互交流(WebベースのICTなど)に関する新技術の発見
  • バリューチェーンを刷新するような新技術
  • 事業のコスト構造を刷新するような新技術

様々な企業が各社それぞれの理由から、様々な角度からPEST分析を実践している。その多様性は、属している産業分類や取り扱い商材の違いに起因する。

例えば、防衛産業に属する企業は、一般消費財を取り扱っている企業より政府の外交・安全保障政策の影響を受けやすいし、海運や小売業などは、公共(電気・ガス・通信など)に比べて、好況/不況といった景気循環の影響をより受けやすい。

であるから、防衛産業に属する企業は、政治的要因(Political)の分析によりフォーカスするし、景気敏感業界に属する企業は、経済的要因(Economic)、中でも景気変動への注目度をあげるのが一般的である。

競合分析(Competitive Anaysis)

競合分析は、SWOT分析に似ている所もある。競合分析は、競合他社を対象にして、以下の視点から市場競争の環境分析や、日常的に行われているオペレーションを分析する。

  • 競合他社が有している「強み」「弱み」
  • 事業領域における人口動態と需要動向
  • 市場ポジショニングを改善するような戦略の採用有無
  • 競合他社にとって新規参入障壁となり得る要素
  • 競合他社がライバル企業の参入を許さなくする障壁
  • 競合他社が自社の市場における地位を侵食する能力

また、競合分析には、次のような項目も含まれることがある。

  • ”競業”他社としての定義づけ
  • 競合他社が有している「強み」「弱み」の深堀り
  • 対照比較のための自社が有している「強み」「弱み」
  • 競合他社にとっての顧客ニーズ
  • 競合他社と自社にとって共通する市場参入にあたっての問題点(例:得難く使用料が高い特許の存在、高い操業開始コスト、事業を成功に導くための高レベルの知見など)
  • 上記の事柄を全て了解したうえで、競合他社に対抗できる競争戦略の策定

コンティンジェンシープラン/シナリオプランニング(Contingency Planning/Scenario Planning)

コンティンジェンシープラン(Contingency Planning: 緊急時対応計画)は、将来起こり得るイベントに備えて作成するものである。これを広義で捉えると、シナリオプランニング(Scenario Planning)となる。

”シナリオ” という名の通り、将来発生し得ると考えられるが、具体的にいつ発生するかは予測不可能な出来事・事件(大抵は自然災害や暴動など、経営にとってマイナス事象のことが多い)が一旦起こってしまった場合に、自社が迅速に対応行動が採れるように、予めシナリオの如く、企業の対応行動とそのための指針を決めておくものである。

対象とする出来事・事件は、一般的には外部環境下で発生するものであり、そうした外部事象(external events)は、外的コンティンジェンシー(external contingencies: 外部の不測事態)と呼ばれる。

外的コンティンジェンシーは、勿論、社内の経営管理の範囲外のものであるにもかかわらず、自社の戦略的計画の実行面で大きく関わってくる。

外的コンティンジェンシーには、競争環境の変化、政府規制の変更、政治動向の変化、人口動態の変化、技術革新、物理的災害などがある。

一方で、内的コンティンジェンシー(internal contingencies: 内部の不測事態)は、勿論、社内の経営管理の範囲内に在るのだが、これもまた戦略計画の遂行時の障害となり得るものである。

内的コンティンジェンシーには、組織ミッションの変更、組織目標の変更、組織文化の変更、組織デザイン上の課題などがある。

コンティンジェンシープランは、戦略と業務遂行環境をワンセットにして(ここでは便宜上それをパッケージと呼ぶが)、通常は、その異なるパッケージを複数用意して、そのパッケージことに複数計画を策定することが多い。

それぞれのパッケージが提示する特定された個別状況に適応すべく、それぞれに相応しい計画行動が実行に移されることになる。

潜在的でネガティブな事象や脅威が現実のものとなったら、あたかもコンティンジェンシープランによってそれらを待ち伏せして退治するがごとく、損害を軽減したり、脅威を回避したりする。

コンティンジェンシープランは、外部環境が、自社の戦略計画の実行にとても大きな影響を及ぼす場合に、非常に重要なものとなる。

全く別々の状況から引き起こされる全く別々の脅威・損害に備える計画を個別に立案準備しておくことは、よりきめ細かく対応しようとすればするほど、コストが高ついてしょうがない。

それゆえ、経営層は、コンティンジェンシープランの事前準備からのメリットが、コンティンジェンシープラン立案コストを上回ったとき、そして、上回ることに自信が持てたプランの分だけを事前準備しようと考えるだろう。

まとめ

コンティンジェンシープランは、財務計画・財務分析を行う際に用いられることが多い。特に、外部環境の変化に対応すべく、想定できるだけのいくつかの行動パターンを決めておくものである。

BCGマトリックス(BCG Growth-Share Matrix)

BCGマトリックス(BCG Growth-Share Matrix)は、事業ポートフォリオ管理(事業ポートフォリオ分析)の手法としてとても有名である。

BCGマトリックスは、製品(または事業)のライフサイクルがどのステージにあるかを定義づけて製品ポートフォリオ(事業ポートフォリオ)を管理する手法である。1970年代にボストンコンサルティンググループが、経営資源の配分計画のために開発した。

BCGマトリックスでは、❶市場成長率(market growth rate)と、❷市場シェア(relative market share)とによって製品(事業)を4つのカテゴリに分類する。

市場成長率を縦軸に、市場シェアを横軸にとって、2×2のグリッド(格子)で表す。縦軸の市場成長率の高低は、資金需要の大小を意味し、横軸の市場シェアの大小は、資金創出力の大小を意味する。

BCGマトリックス(BCG Growth-Share Matrix)
BCGマトリックス(BCG Growth-Share Matrix)

スターは、高い市場成長率と高い市場シェアを持つ製品(事業)を意味し、潜在的な収益を創出する能力を秘めている。堅調な市場成長は急速な売上成長をもたらす。急速な売上成長は、顧客からの旺盛な需要に応えるため、売上債権と在庫への投資を増やさざるを得ず、運転資本(運転資金)の急増を企業に強いる。そのため、スターは、ハイレベルの資金需要を併せ持つものとなる。

もしスターが高い市場シェアを維持し続けられているのならば、その市場成長率はやがて落ちてくるはずだ。それは、スター金のなる木に変わることを意味している。適切にポートフォリオ管理が実施されていれば、スターは将来の資金創出を保証してくれるものになるだろう。

企業は、ポートフォリオ管理の中で、スターである製品(事業)の価格を調整することがあるかもしれない。価格を抑えれば、市場シェア拡大の補助となるし、市場シェアが最大の限界値に行き着いたと考えた時点で価格を上げれば、その時点での収益最大化が狙えるかもしれないからである。

問題児は、市場全体(事業全体)の成長率は高いけれど、その製品(事業)自体の市場シェアは小さいものを指す。市場全体が急成長を遂げている場合は、問題児の売上もまた急成長を見せているはずだ。それゆえ、問題児は多額の運転資金を必要とする。しかしながら、問題児はまだ市場シェアが小さいため、十分に資金を生み出すことができていない。

問題児は市場シェアを拡大させてスターになる可能性を秘めた存在であり、さらなる幸運に巡り合えたなら、そこから市場全体の成長が止まった時点で金のなる木にも変身する可能性すらある。

しかしながら、現時点において、問題児は純現金収支(ネットキャッシュフロー)から見れば、ネガティブ(赤字)であるため、どこからどう見ても(どう取り繕っても)自社にとって、その存在自体は ”問題” なのである。

さらに言えば、もし問題児が市場シェアを獲得できないままで、その市場自体が大きく成長することもなく、むしろ縮小傾向に陥った場合は、問題児から負け犬に変わってしまうだろう。

問題児に対する追加的投資が価値のあるものになるか無価値のものになるかは、市場シェア次第だともいえる。問題児に対する追加投資の判断はとても重要になってくる。なぜなら、問題児の市場シェアは、負け犬に落ちるのを防ぐために、急速に拡大させるための手を打つ必要があり、そのためには、ペネトレーション価格を提示するために販売価格を低く抑える(当面の資金回収・コスト回収を諦める)ことが必須となるからである。

金のなる木は、成熟産業(成熟市場)の製品(事業)であり、低い市場成長率と高い市場シェアが特徴である。金のなる木は、費消するキャッシュより稼ぎ出すキャッシュの方が多い。

金のなる木は、持っているだけだと退屈でしょうがないが、それがあるおかげでキャッシュが入ってくるから感謝されるものでもある。ある人は、金のなる木からは、最大限の利益を搾り取った方が良い、というかもしれない。

金の生る木への追加投資は極小で済ますことができる。なぜなら市場成長が止まっており、追加投資からの追加リターンもわずかなものにしかならないからだ。

それは、金のなる木となる製品(事業)の特徴・機能や価格が実に安定的で、変化させる必要がない(=変化させるための投資が不要である)からだ。

負け犬は、成熟産業(成熟市場)の製品(事業)であり、低い市場成長率と低い市場シェアが特徴である。負け犬は多額の資金を食い潰すこともなければ、多額の資金を稼ぎ出しているわけでもない。負け犬は、小さくまとまって、資金収支面のブレークイーブン(損益分岐点)を保っている。

そういう製品(事業)への追加投資は効率的でも効果的でもないのが一般的である。なぜならば、負け犬への投資は、自社の投資収益率(ROIやROAで測定されるもの)を悪化させるものであるのが通常だからだ。負け犬については、価格決定(値付け)はさほど問題視されない。むしろ、資本効率の面から見て、早く事業売却すべき対象である。

BCGマトリックスの理論からすれば、大抵の製品(事業)は、問題児として生まれ、次にスターに変化し、運が良ければ金のなる木に到達する。そして、このような製品ライフサイクル(事業ライフサイクル)理論からすると、金のなる木負け犬の状態に落ち込み、やがてそのライフサイクルに終焉を迎えることとなる。

つまり、BCGマトリックス上では、巧みに製品(事業)ライフサイクルを運用していくと、右上の問題児として誕生してから、反時計回りに回って、負け犬で最期を迎えることとなる。

問題児がスターを経て金のなる木に変貌遂げる道筋を辿る場合は、その動きを「スターダム(stardom)」と呼び、問題児がスターになり損ねて、市場成長率が低シェアのまま落ち込んでいけば、その動きを「ドッグダム(dogdum)」と呼ぶ。

(製品・事業を巧みに育てれば、BCGマトリックス上を反時計回りで軌跡を描いてくれるのが「スターダム」、育成に失敗すれば、ストンとそのまま真下に落下するイメージが「」ドッグダム」になる。)

十分に多角化された企業には、負け犬を除いて、常時、問題児・スター・金のなる木がいくつか揃っており、非常にバランスのとれた製品ポートフォリオ(事業ポートフォリオ)が実現されていることが多い。

スターは、高シェア・高成長率の製品(事業)で、将来の飯のタネ(高収益の安定剤)としての意味を持つ。問題児は十分な資金提供を受けることができたなら、スターになる潜在能力を持つ存在としての意味を持つ。そして、金のなる木は、自社の将来の高収益と利益成長を実現してくれるスターや問題児へ資金を提供してくれる存在としての意味を持つのである。

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