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選択された戦略の展開・実行 Developing and Implementing the Chosen Strategies

選択された戦略の展開・実行 Developing and Implementing the Chosen Strategies マネジメント
選択された戦略の展開・実行 Developing and Implementing the Chosen Strategies

選択された戦略の展開・実行 Developing and Implementing the Chosen Strategies

●戦略的計画プロセス

#ステップ内容
1MVVG定義企業のミッション・ビジョン・価値・ゴールの定義
2外部環境分析機会と脅威を明らかにするため、企業外部の競争環境の分析
3内部環境分析強みと弱み、組織の限界を明らかにするため、企業内部の業務環境の分析
4戦略策定
(SWOT分析)
組織のミッション・ゴールと一貫性のある戦略の選択と策定
5戦略実行選択された戦略の展開・実行

概要

競争優位の達成と業績向上のために、一旦選ばれた戦略と資本的投資のワンセットが実行に移される。実行に移された戦略は、組織内外の四方八方に展開され、戦略計画に沿って必要な措置が次々ととられる。

戦略の実行は、自社の組織デザイン(organizational design)の文脈の上で展開される。組織デザインは、ビジネスモデルの成功のために、❶組織構造(organizational structure)❷業績管理制度(control systems)❸組織文化(organizational culture)の3つを創造したり組み合わせたりしたものである。

これらの組織デザインのための3要素は、自社組織が従業員のモチベーションを上げ、固有能力(コンピテンシー)を通して競争優位を築けるように各々の業務を調整するための手段となる。

固有能力(コンピテンシー)は、一般的には、❶高効率性、❷高品質、❸イノベーション、❹顧客対応力の4つを指す。

組織構造(organizational structure)

組織構造は、高品質・イノベーション・優れた顧客対応力のために、誰が何をすべきか、どうやってするべきか、どんなスキルを持った従業員やグループが協働すべきかを明らかにしてくれる。

特定技能を備えた従業員が特定技能をもって適える特定の価値を創造する業務についてその役目を果たそうとする。

全社レベル、事業レベル、機能レベルといった各レベルにおいて、組織構造は、従業員の努力をひとつにまとめ上げる調整能力を有する。

従業員の努力の結晶を機能部門や事業ユニットを超えた全社単位で調整・協働に向わせるものだから、組織構造に内在する力場がビジネスモデルを成功に導く戦略遂行の足掛かりとなるのだ。

業績管理制度(control systems)

業績管理制度は、従業員が業務を通じて高効率性、高品質、イノベーション、顧客対応力を増進させるように、経営層に対してインセンティブを与える。

業績管理制度はまた、すでに築かれている競争優位をどうやって次代に引き継いでいけるかについて、経営層に対してフィードバックも与える。

業績管理制度からのフィードバックは、経営層にがビジネスモデル強化のために必要な施策を打つことを手助けしてくれる。

組織文化(organizational culture)

組織文化は、全従業員が共有する自社組織内の行動規範・価値・信念・業務態度などの全てである。

組織文化は企業行動でもって体現されるものであり、従業員がお互いに相互作用を及ぼし合う方法を規定するものでもあるし、時には、社外のステークホルダーへの対応までも左右する。

組織によって、適切な行動規範や価値観は異なる。だから、経営層は、自社にとって相応しいと思う行動規範や価値観を醸成することを意識的に行う。

さらには、組織構造が組織文化に影響することもある。組織文化を変えるために、組織構造の改変(一般的に手っ取り早いのは組織変更)を行うこともある。

組織文化を変えるためだけに行う組織変更は劇薬となる可能性が高い。組織変更は効果が高いが故に、副作用も大きいことには留意すべきである。組織変更のための移行コストは心理的・経済的・時間的に経営層が思ったより大きいのが常である。組織変更によって狙った通りの組織文化醸成が達成できないからといって、毎年組織変更を実践してしまうと、組織抵抗力が落ち組織活力も失われる。劇薬は、ここぞという時にこそ使いたいものである。

まとめ

自社の組織デザインを分析することは、従業員間の協業状態・従業員のモチベーション向上のために、トップマネジメントが組織文化・組織構造・業績管理制度を改変する際のヒントを与えてくれる。

効果的な組織デザインは、自社が競争優位を獲得すること、業界平均以上の高収益をあげることを手助けしてくれる。

従って、ビジネスモデルを構築し、戦略を策定したら、次にトップマネジメントが手を付ける主要課題は、組織デザインとなる。

組織デザイン
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