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従業員平均勤続年数(Employee Average Service Years)

従業員平均勤続年数(Employee Average Service Years) 経営分析
従業員平均勤続年数(Employee Average Service Years)
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従業員平均勤続年数(Employee Average Service Years)
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計算式

従業員平均勤続年数は、現在勤務している従業員の平均勤続年数を測定する指標である。

単純平均値であるから、全従業員の勤続年数の総和を従業員数で割り算することで求められる。

\( \displaystyle \bf 従業員平均勤続年数= \frac{従業員勤続年数の総和}{従業員数} \)

この指標の単位は単純に「年」となる。


従業員勤続年数の総和 143(=9+11+14+15+16+17+19+20+22)
従業員数 10人
\( \displaystyle \bf 従業員平均勤続年数= \frac{143}{10} = 14.3 年 \)

上記の例では、計算結果としての平均値に小数部分が含まれているとしても、あくまで1年以上の期間の平均であり、1年未満の期間は無視されている。例えば、18年6か月とか、18.5年など。

1年未満の期間の平均は0.5年または6ヶ月とすれば、上記の例の14.3年は、0.5年を加えた14.8年が推計値としてより適切かもしれない。一番厳密なのは、1年未満の期間も含めた平均値を求めることである。

財務分析における生産性分析の領域で平均を取り扱うという範囲・程度ならば、最初から平均勤続年数データを採取することも想定しておきたい。

各種政府統計や調査会社データの利用も考えられるが、有価証券報告書の「従業員の状況」において、報告会社(親会社、いわゆる単体)に限られているが、従業員平均勤続年数がそのまま掲載されている。

なお、類似の指標として、「従業員平均年齢(Employee Average Age)」がある。

定義と意味

従業員平均勤続年数は、その企業で働く人の平均勤続年数であるから、どれだけの習熟度を有した人材が業務にあたっているか、企業風土・企業文化に慣れ親しんだ期間がどれだけ長い人材が揃っているか、積極的に新人を採用して人材にどれだけ積極的な先行投資をしているかを測るひとつの指標となる。

ESG投資の一翼を担っている人的資本開示・人的資本経営が標榜されている昨今、こうした人的資本関連の指標分析にも改めて注目が集まってきている。

「生産性分析」「Productivity Ratio」でも、労働生産性の詳細な分析に用いられる指標のひとつでもある。

資本生産性でも、固定資産の耐用年数によるビンテージ評価があるように、人材にもかけた年数分の付加価値がきちんと発揮されているのかを測るために、従業員の平均年齢に併せて平均勤続年数も分析するに足る指標である。

従業員平均勤続年数を単独で見る場合には、平均勤続年数自体の高低が、

従業員平均年齢と同じ項目として、

❶従業員の習熟度が適正に管理されているか
❷従業員の定着率は適正に管理されているか
❸人事の新鮮度(新人の採用・教育・ローテーション、世代交代)が適正に管理されているか

を間接的に推し測る指標としての使い方が多い。

従業員平均勤続年数独自の項目として、

❹M&Aなどで急拡大した企業(またはグループ)の求心力が維持されているか

を間接的に推し測る指標としての使い方が多い。この視点は、年功序列制が一般的であった旧来の見方を一部引きずっているかもしれないが、その企業の風土・社風を大切にし、組織文化への理解が高まれば高まる程、組織力を発揮できるという仮説に成り立っている。

そして、組織文化への理解度を高めるにはある程度時間を要し、それには勤続年数が長い方が有利であるとの仮定の上に成り立つ見解である。

であるから、合併や子会社として傘下に入る企業(事業)で従来から働いていた人たち(ベテラン勢)が新規に同僚となる場合には、平均年齢が高まることはあっても、勤続年数はリセットされてゼロから始まるから、平均勤続年数は一気に下方修正される。

但し、その点以外においては、一概に平均勤続年数が短いから(長いから)という機械的な判断をすることは難しい。

そのため、従業員平均勤続年数のデータは、それ以外のインプット指標やアウトプット指標と組み合わせて理解することが多い。

インプット指標としては、教育費と組み合わせて、「円/人・年」単位の教育費の推移をみたり、平均給与との相関を分析したりする。

アウトプット指標としては、「一人当たり売上高」「一人当たり利益」「労働生産性」等と組み合わせて、「人・歳」単位の指標に組み替えて分析したりする。

解釈と使用法

ここでは、アウトプット指標と組み合わせて、労働生産性分析の補足指標としての分析手法を確認することとする。

例として、「一人当たり売上高」を採り上げる。一人当たり売上高の計測単位は「円/人」となる。

\( \displaystyle \bf 一人当たり売上高 = \frac{売上高}{従業員数} \)

これは、従業員の人数当たりのアウトプットとしての売上高を見るものである。

全従業員の業務知識や創意工夫の元はそれまでの勤務(業務サービス)にかけた年数の分だけ増えていくという仮定に立てば、全従業員の業務知識や創意工夫の総数は、全従業員の勤続年数の総和を代理変数として置くことができる。

\( \displaystyle \bf 勤続年数の総和当たり売上高 = \frac{売上高}{全従業員の勤続年数の総和} \)

ただし、「全従業員の勤続年数の総和」という単位はイメージが湧きにくく、直感だけでは掴めない。この単位を全従業員数で割ると、従業員当たりの平均勤続年数となる。「平均勤続年数当たりのアウトプット(ここでは売上高)」とすれば、まだイメージが湧きやすい。

\( \displaystyle \bf 勤続年数の総和当たり売上高 = \frac{売上高}{全従業員の勤続年数の総和} = \frac{\left(\frac{売上高}{従業員数}\right)}{\left(\frac{全従業員の勤続年数の総和}{従業員数}\right)} \)

\( \displaystyle \bf 勤続年数の総和当たり売上高 = \frac{一人当たり売上高}{従業員平均勤続年数} \)

この時の単位は、いうなれば「円/人・年」ということになる。「円/人・年」という計量単位はあまりなじみがなく親和性も低いかもしれない。よって計算式や単位より割り算の概念の方から理解を進めるとよい。

ここから、一般化すれば、一人当たり指標を従業員平均勤続年数で割り算することで、一人当たり指標を、勤続年数単位当たり指標に置き換えることができることが分かる。

これにより、以下のように要点をまとめることができた。

❶従業員平均勤続年数単独の指標としては、その良否を簡単に評価することが難しい
❷アウトプット指標やインプット指標と組み合わせることで、平均勤続年数(従業員勤続年数)を相対評価しやすくなる
❸一人当たり指標を平均勤続年数で割り算すると、勤続年数当たり指標が簡単に求められる

以上のことを前提に、アウトプット指標と組み合わせた従業員平均勤続年数指標は、

従業員平均勤続年数指標(アウトプット系) < ベンチマーク

この値がより小さくなれば、従業員勤続年数当たりのアウトプットがより小さくなるため、勤続年数当たりの生産性が悪いといえる

従業員平均勤続年数指標(アウトプット系) > ベンチマーク

この値がより大きくなれば、従業員勤続年数当たりのアウトプットがより大きくなるため、勤続年数当たりの生産性が良いといえる

ということができる。

なお、インプット系指標を用いれば、上記の良否の判断は真逆となることは言うまでもない。

シミュレーション

以下に、Excelテンプレートとして、FY17~FY22の神戸物産(単体)の実績データをサンプルで表示している。

入力欄の青字になっている「期間」「売上高」「経常利益」「従業員数」「平均年齢」「平均勤続年数」「平均年間給与」に任意の数字を入力すると、表とグラフを自由に操作することができる。

これらの値は、EDINETにて公開されている有価証券報告書から取得したものである。

どんな入力をしても、元ファイルが壊れることはない。入力し直したい、元に戻したい場合は、画面を更新(F5押下など)すれば、初期値に戻る。

自分の手元でじっくり検証したい場合は、上記のダウンロードボタンから、Excelをダウンロードすることをお勧めする。

有価証券報告書から客観的データを取得するために、連結ベースではなく、報告会社単位(親会社、単体)ベースの数値となっている。

従業員平均勤続年数の単純な推移だけでは分析意図が掴みにくいため、生産性分析として、アウトプット指標から「売上高」「経常利益」、インプット指標から「給与」を併せて採用した。

神戸物産(単体)の「平均勤続年数当たり売上高」の推移は、FY18・19にピークを付けその後下降した。これは、FY18・19に中途採用およびM&Aなどによるベテラン勢の新規参加により、平均勤続年数が一時的に下がったことが影響している。

その時期の新規採用人材はその後組織に定着し、平均勤続年数当たり売上高が落ち着いた水準にまで戻ったことからも窺い知ることができる。

同じくアウトプット系指標として、平均勤続年数当たり経常利益」の推移もまた独特の軌跡を描いている。

グラフ推移から、FY18・19に新規採用を積極的に行ったことが分かるが、FY19に早くも平均勤続年数当たり経常利益が一時的な盛り上がりを見せたことは、FY18採用組の人材効果が一年後に即効的に発揮されたと見ることができる。

売り場改善や新商品開発の足が早い小売業といえども、このスピード感は経営者にとってたまらないものに違いない。

一方で、インプット系指標である「平均勤続年数当たり給与」は、FY18・19の積極的な採用活動時は高まり、その後人材が定着して平均勤続年数が伸びるにしたがって低下しているのは、想定通りの動きだといえる。

使用機能

スパークスライン

参考サイト

同じテーマについて解説が付され、参考になるサイトをいくつか紹介しておく。

[財務諸表分析]比率分析指標の体系と一覧[財務諸表分析]比率分析指標の体系と一覧

1財務諸表分析の理論経営分析との関係、EVAツリー
2成長性分析(Growth)売上高・利益・資産成長率、持続可能成長率
3流動性分析(Liquidity)短期の支払能力、キャッシュフロー分析
4健全性分析(Leverage)財務レバレッジの健全性、Solvency とも
5収益性分析(Profitability)ROS、ROA、ROE、DOE、ROIC、RIなど
6効率性分析(Activity)各種資産・負債の回転率(回転日数)、CCC
7生産性分析(Productivity)付加価値分析、付加価値の分配
8市場指標(Stock Market)株価関連分析、株主価値評価