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リソース(Key Resources) – ビジネスモデル体系

リソース(Key Resources) - ビジネスモデル体系ビジネスモデル
リソース(Key Resources) - ビジネスモデル体系

リソース(Key Resources)

機能外販

自社が他社よりも優れたオペレーションを実施できる領域、販売やマーケティングや生産などといったいわゆる「機能」として業務遂行能力そのものを外販してマネタイズする。

自社製品を生産するための自社工場における生産機能は、主に自社製品の生産に使用される場合はこれに該当しない。

EMS(electronics manufacturing service: 電子機器の受託生産を行うサービス)は、受諾生産そのものが本業であるため、狭義ではこれを含めない。

自社製品・サービス提供のために自社に保有している機能がコスト的・作業品質的に高い競争力を有している場合に、自社向け機能提供をしつつ、その機能稼働の余裕能力を外販することで収入を得るビジネス。

自社製品・サービス提供に向けた社内バリューチェーンで機能別組織に課せられたミッションをこなすだけでなく、加えて余裕稼働分を外販で効率よく利用可能であるため、実現された高稼働率が結果としてさらなる低コスト・高収益をもたらす。

機能外販の販売先である顧客は、もともと顧客企業内で該当の機能を社内で抱えていること、または社外に頼らざるを得ない程度に大きな稼働力を維持することが難しいからこそ、該当機能を社外に頼ろうとする。

そのため、顧客企業内でその活動能力を縮小/停止/廃止することが多く、機能外販サービスを行う企業に依存的になる傾向が強い。

また、機能提供先のバリューチェーンに深く組み込まれ、安定的な稼働、作業品質の恒常性維持を必要とされる業務に従事することになるため、顧客企業が該当機能を、他社への発注へ切り替えるといったスイッチングコストが高くなりがちである。

そのため、安定長期契約が実現させやすい状況が生まれるため、機能外販提供機能強化の先行投資・巨額投資の回収安全性が高くなるメリットも付随的に発生する。

これを顧客企業側から見ると、アウトソーシング(BPO)によるコストダウンを図る手段となる。

例として、本業で必須の専門業務は同業他社、または汎用的な業務については他業種企業へ提供する違いがあるが、

  • ルフトハンザ航空が航空機整備業務を外販
  • 大阪ガスがコールセンター業務、水道兼業務を外販
  • ベネッセグループがコールセンター業務、ダイレクトメール・教材発送業務を外販
  • 日立製作所が間接材購買管理システムを他企業ユーザにも開放

リソース先制

そのビジネスが成立するために必須でかつ有限な経営資源の入手が前提になっている場合、そのキーとなる経営資源の確保状況がそのビジネスの成功・失敗を決める重要なポイントになる。

例えば、事業としてガソリン販売を営んでいる場合、❶そもそも原料となる原油(石油、ナフサ)が安価で安定供給で一定品質で調達できるか、❷販売網としてのガソリンスタンドとしてふさわしい立地が確保できているか、といった特定の経営資源(原料、販売網)の有無がガソリン販売事業の採算を大きく左右する。

「リソース先制」は、そうした重要な経営資源を競合他社より先に有利な条件で入手することで、有力な潜在的競合の市場参入障壁とするか、仮に市場参入しても、価格・品質・供給安定度・規模などの点で劣ったものしか獲得できないようにして、市場での競争優位を築こうとするものである。

販売網という能力・機能も一般的には含めるが、従来から認識されている通り、経営資源の代名詞となっている、ヒト・モノ・カネ・情報 という分類によって、リソース先制が有効な事業を整理するのもよいかもしれない。

  • ヒト
    • コンサルティングファームによる優秀なコンサルタント
    • 労働集約企業による工場立地付近の地域住民(安価な労働力源)
  • モノ
    • 日本コカ・コーラによる自動販売機の設置場所
    • シンガポール航空によるボーイング新型機
    • デビアスによるダイヤモンド鉱山
    • 航空会社による空港発着枠
    • 農業や工場による水利権
    • 温泉宿泊業及びその関連業による湯口権
    • 採掘業による鉱山権
  • カネ
    • 有利な融資条件・出資条件を受けることができる金融法制・税制
  • 情報
    • 放送事業・通信事業による周波数帯(チャンネル、衛星通信枠)
    • イノベーティブ企業による特許などの知的財産権

マニュアル化

製造業から始まる

従来は、主に製造業において、大量生産を果たすため、大勢の工場労働者による作業品質の向上と作業品質の安定を目的としてマニュアルを導入していた。

職人→熟練工→ライン生産者の順に人数を増やしていくとともに、非定型作業から定型作業の範囲を拡大していくことで、より低コスト、より安定品質の工場生産品(規格品)の提供を可能にした。

しかし、工場における規格品を対象とした大量生産は、次第に労働集約的な加工作業は機械による自動化が進み、徐々に人間が作業する工程が減少していったため、マニュアル化による作業標準化が果たす業績改善効果が薄れていく。

そのため、マニュアル化が効果を発揮する産業が製造業からサービス業へシフトすることになる。

サービス業で展開

サービス業は製造業に比べてまだ労働集約的作業が多く存在していたため、マニュアル化による価値提案プロセス定型化・標準化することで、高品質・安定品質が保証された業務提供を可能にすることで競争優位を築くものである。

マニュアル化は、それ以前のプロフェッショナルの手による業務が必須だったものをマニュアル要員で代替することで大幅に人件費単価をカットすることが可能になるだけでなく、大量の注文を短期間で捌くことも可能にする。

サービス業の中でも労働集約的である業務の代表例が接客業である。

マクドナルドは、厨房からフロアまでの接客とオペレーション(注文→食材加工→メニュ提供含む)を完全マニュアル化することで成功したことで有名である。

マニュアル化を本当に成功させるためには、何かを思い切って捨てる覚悟が必要である。

  • マクドナルドは、販売メニューのバラエティとカスタマイズ化を捨てた
  • LCC(ローコストキャリア)は、航空便ネットワークの接続・顧客到着の遅れ対応を捨てた
  • ブックオフはプロフェッショナルとしての目利きによる査定を捨てた

一般的に、マニュアル化は以下の6つの視点で分析が可能である

項目プロフェッショナルマニュアル化
オペレーション匠の技定型作業
経営資源専門家・大勢の素人
・機械化
提供価値カスタマイズ
要望の対応
汎用性・規格
コスト構造・人件費単価高い
・トレーニング費用高い
・人件費単価安い
・トレーニング費用安い
価格高価格帯低価格帯
顧客セグメント市場ピラミッド上部市場ピラミッド中下部

プロフェッショナルサービスファーム

顧客に対する価値提供プロセスを自社が活用できるプロフェッショナル(専門家)に任せることで、高い顧客満足を獲得して競争優位を築く。

基本的には自社で採用・雇用した要員が有する個人的経験や特殊技能、多種多様な人脈などが価値の源泉となる。

そのため、そうした属性を有する要員の採用と、採用したプロフェッショナル達による自社内の他要員に対する教育(しばしば徒弟関係になぞらえられる)がそうした競争優位の基礎となる。

※ 英語で正しくは「Firm」なのだが、そうした社内教育の重要性から「Farm」と揶揄する言い方もある

こうしたプロフェッショナルを会社(firm)が継続的に確保するために、通常は、

❶高い給与によるリテンションとロールモデル化
❷アップ・オア・アウト(up or out)による厳しい昇進・選抜
❸下位者には貴重な学習機会を与えるということで低廉な給与

の3施策セットの人事政策が行われる。

職階と給与は極端なピラミッド構造になっており、多数の定額所得者が少数の高額所得者を支える構造になっている。

厳しい選抜で、社内昇進する者の数が極端に制限されているため、同業他社への短期での転職や、最終的な落ち着き先としての異業種への転職が頻繁に発生する仕組みになっている。

このような一企業の枠を超えた人的ネットワークの存在が、口コミや紹介という形で、受注機会の創出につながったり、他社への転職機会の発見をもたらす。

コーポレートベンチャーキャピタル

事業会社が自らの資金で設立するベンチャーキャピタルが、コーポレートベンチャーキャピタル(CVC: Corporate Venture Capital)である。

通常のベンチャーキャピタルは、非上場の設立間もないベンチャー企業に投資することで、上場益または他社から得られる買収益でベンチャー企業への投資をイグジットすることで投資回収を図る。

そこでは、ベンチャー投資から財務的な意味でリターンを得ることを主目的とするのが一般的である。

CVCの場合は、もちろん投資機会からの財務的リターンもさることながら、事業会社が自らベンチャー投資をわざわざ手掛ける意味をきちんと整理しておくことが必要である。

  1. 出資先のベンチャー企業が有する技術ビジネスアイデアを自社の事業に役立てる
  2. 出資先のベンチャー企業が手掛けている事業領域の市場・顧客情報を自社の事業に役立てる
  3. 出資先のベンチャー企業を囲い込むことによって、競合他社による出資や合併を事前に阻止できる
  4. 出資先のベンチャー企業の優秀な経営者との人脈確保もしくは将来的な取り込み
  5. 出資先のベンチャー企業の事業が持つ魅力度が高まれば、合併等により自社に取り込みやすい

CVCは、基本的にはマイノリティ出資であるため、事業会社にとってはリスクを可能な限り最小化することができる。

その一方で、あらかじめ投資するベンチャー企業選別の目利きは、自社の経営資源をフル活用することで、一般的な事業投資より成功確率を上げることもできる。

それ以外のベンチャー投資成功確率を上げる要素は以下の通り。

  1. 大企業である自社が投資していることで、投資先のベンチャー企業の社会的信用力が増す
  2. 自社が持つ顧客資産チャネル関係性をベンチャー企業に提供することができる
  3. 自社が持つ生産設備技術をベンチャー企業に提供することで、追加収益を狙える

CVCによる投資手法は、事業ポートフォリオの積極的な再編の促進剤ともなる。

大企業になればなるほど、資金的余裕が生まれやすくなるが、一方で組織が肥大化・硬直化し、新規アイデアが出にくくなる組織風土になっている可能性も高くなる。

CVCによる新陳代謝を促す刺激にある程度、自社要員を曝すことで、投資先のベンチャー企業と自社の既存事業(に従事する要員)の双発的な成長が期待できる。

専門家利益

特定の限られた領域に深い知識と経験を有し、その領域に関連する問題解決にたけた人材やチームの名声・評判で収益を上げていく仕組み。

元々、一般に比べて豊富な知識の経験とスキルを有している個人やチームが、同領域の仕事を複数こなしくて行くと、さらに磨きがかかり、知識やノウハウが再強化されることで、さらなる受注機会に恵まれるという好循環を生み出す。

専門家利益を得るためのビジネス対象とする領域は狭ければ狭いほど、専門家としての成長スピードを速くしてくれるが、その一方で、受注機会が減る可能性もあり、程よく受注が得られてなおかつ競合他社より早い専門家スキルの成長が望めるサイズの市場領域を相手に選ぶことが重要になってくる。

例えば、コンサルティングファームでも、経営全般(総合系)より、M&A専門、知財権専門、金融業界専門、インドビジネス専門など、特化型のほうがこのビジネスモデルに適している。

総合系コンサルティングファームであっても、看板はひとつの会社名を背負っているが、実際には、それぞれの専門チームの集合体であることの方が多い。

ストックオプション

ストックオプション(stock option)とは、株式会社の経営者や従業員が自社株を一定の行使価格で購入できる権利をいい、特に従業員向けのものは英語では employee stock option ということが多い。

例えば、アーリーステージのベンチャー企業で、高成長を遂げるために優秀な経営者や従業員を採用したいが、採用にあたって資金的余裕が無いため、高い報酬で人材を迎えることができないというジレンマに陥ることが多い。

そういった高成長のエンジン役を担ってくれる人材には、現時点では並または低い報酬で業務にあたってもらい、企業が成長・上場した暁には、ストックオプションの権利行使により、差額益を成果報酬の形で支払うという報酬制度の一種として運用することができる。

成果報酬の形式をとることで、企業側は資金不足をカバーしつつ優秀な人材を採用可能になり、雇用された側も、業務で成果を上げればストックオプションから差額益を得られるということがインセンティブ/モチベーションを与えることになる。

元々、シリコンバレー企業でこのストックオプションが多用され、多くのITベンチャー起業の成功のひとつの秘訣となっており、日本では、1997年5月の改正商法において認定された。

現在では、ストックオプションの権利行使価格の操作やそもそもの公正価値の算定の難しさ、逆に株価が値下がりした場合のディスインセンティブが機能しないという問題点が指摘されている。

そこで、譲渡制限付株式(Restricted Stock、RS)や、その株式を信託するなどといった譲渡(売却)が制限された株式での報酬制度が採用されるケースが増えている。

資金調達

ヒト・モノ・カネ・情報といった経営資源のうち、「カネ」の調達にまつわるもの

コーポレートファイナンス

プロジェクトファイナンス

ソーシャルインパクトボンド

英語では、Social Impact Bond: SIB

行政から民間へ委託する際の手法のひとつ。

行政や民間事業者及び資金提供者等が連携して、民間の活力を社会的課題の解決に活用するため、民間資金を呼び込み成果報酬型の委託事業を実施する成果連動型民間委託契約の一形態

優先株式

利益もしくは利息の配当または残余財産の分配に関して、他の種類の株式(普通株式など)よりも優先的に受け取ることができる地位が与えられた株式

転換社債

英語では、Convertible Bond:CB

一定の条件で株式に転換できる権利(転換オプション)が付与されている社債

荷為替信用状

英語では Documentary letter of creditのことで、 L/C と表記されることも多い。

貿易取引において輸入者の依頼で銀行が発行する。

輸出者がL/Cを取引銀行に提示して、輸出代金の回収を図る。輸出入と並行または事前に、輸入者の取引銀行と輸出者の取引銀行間で荷為替手形、信用状、代金のやり取りがなされている。

ファイナンスリース

物件を利用したい企業に代わってリース会社がその物件を購入し、企業に貸し出す形の賃貸借契約。

原則中途解約不可で、リース期間中に物件価格・金利・諸税・保険料などを含めたすべての代金がリース料として支払う必要がある。

ビジネスモデル体系(概要) ビジネスモデル体系

ClassBlock説明
ターゲット
Target
ターゲット - ビジネスモデル体系
顧客セグメント
Customer Segments
顧客セグメント - ビジネスモデル体系
企業が関わろうとする顧客を明確にする
(顧客としないセグメントは無視する)
顧客との関係
Customer Relationships
顧客との関係 – ビジネスモデル体系
顧客獲得・顧客維持・販売拡大の3点について、
顧客とどのような関係を構築したいか
チャネル
Channels
チャネル(Channels) – ビジネスモデル体系
顧客セグメントとのコミュニケーションの方法
顧客セグメントに価値を届ける方法
バリュー
Value
バリュー - ビジネスモデル体系
価値提案
Value Propositions
価値提案 Value Propositions – ビジネスモデル体系
対象顧客に対して、企業が提供できるベネフィットの総体
顧客が必要とする製品とサービスの組み合わせ
ケイパビリティ
Capability
ケイパビリティ - ビジネスモデル体系
リソース
Key Resources
リソース(Key Resources) - ビジネスモデル体系
ビジネスモデルの実行に必要な経営資源の明確化
リソース獲得に必要な対価と収益の流れの相対的関係
主要活動
Key Activities
主要活動 - ビジネスモデル体系
価値提供するために欠かせない活動
製造・問題解決・プラットフォーム・ネットワーク
パートナー
Key Partners
パートナー(Key Partners) - ビジネスモデル体系
どのリソースをサプライヤーから得ているか
どの主要活動をパートナーが行っているか
収益モデル
Profit Models
収益モデル - ビジネスモデル体系
コスト構造
Cost Structure
コスト構造 Cost Structure – ビジネスモデル体系_v3
ビジネスモデルの運営にあたって発生する全てのコスト
収益の流れ
Revenue Streams
収益の流れ Revenue Streams – ビジネスモデル体系
企業が顧客セグメントから生み出すキャッシュフロー
顧客が支払いたいと思っている対象と望む支払方法

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