[定点観測] 経営指標 企業ランキング2024.3.29 追加しました
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研究開発 R&D – ビジネスモデル体系

研究開発 R&D – ビジネスモデル体系 ビジネスモデル
研究開発 R&D – ビジネスモデル体系

研究開発 R&D

リバースエンジニアリング Reverse Engineering

既存の技術や競合製品を分析して得られた情報をベースに、類似製品または互換製品を開発する。必要な研究開発投資が少なくて済むため、市場の同等製品に比べて低価格でかつ早期に市場に製品を提供できる。

リバースエンジニアリングの対象は、ハードウェアに限らず、サービス、ソフトウェア、ビジネスモデル全体にも広げることができる。

このような模倣のメリットは、❶不要な機能を取り除く、❷高価な部品を低価格の部品に置き換える、❸完成度の高い製品をオリジナル製品より低価格で販売する、ことで、自社にとっての新規顧客を開拓できる点である。

大概にして、模倣先の先行企業の失敗や経験から学習することができるため、オリジナル製品と同程度か、それ以上の品質に高めることが容易になる。

先行企業が「先行者利益」を享受した後、満を持して構築済みの市場に後から参入し、新市場構築のコストを自社では負担することなく、先行企業の顧客を安価に奪って、「後発者利益」を享受することができる。

リバースエンジニアリング行為そのものは合法である。但し、リバースエンジニアリングで得られた情報で、オリジナル製品のコピー製品を許可なく製造・販売することは違法である。

完全コピー製品とは言えないにしても、リバースエンジニアリングで生み出された模倣品は、オリジナルの発案者・開発者の知的財産権を侵害する可能性がある。そのため、特許やライセンスの状況を完全に把握し、法的に確実に問題が無い範囲での知識の活用ができるように、専門的知識が自社内に必要となる。

特に、特許期限に着目する必要性が高い。特許権者が期限切れの特許を根拠に、模倣品メーカーを攻撃することはできないからである。

リバースエンジニアリングのコンセプトは、第1次世界大戦から第2次世界大戦の初期までに形成された。当時、急速に技術革新が進み、兵器や軍事運用関連システムが高度化を急激に増したため、敵軍の武装と輸送システムを理解するために、敵から奪取や盗んだ装備から情報を得て自軍に活用することが常態的に行われたのである。

1970~80年代の日本の自動車業界は、欧米からの輸入車を購入し、ひとつひとつの部品の機能・構造・特性を綿密に分析していった。他者(他社)から学び、それを改良することは、もともと日本文化の特徴のひとつであり、カイゼン、QCサークルといった系統だった開発手法を備えていたトヨタは、欧米の自動車メーカーを追い越し、やがて世界一の生産台数を誇る規模にまで成長するのである。

リバースエンジニアリングは、自動車、製薬、ソフトウェア業界で頻繁に利用されている。それら業界でのリバースエンジニアリングの導入理由は、❶研究開発にコストの節約、❷研究開発に要する時間短縮、❸既に市場で実績のある製品からノウハウを獲得できる、❹オリジナルのメーカーや設計図が存在しない製品の再構築が可能となる、などである。

リバースエンジニアリング手法の適用拡大は、3Dスキャンや、3Dプリンターなどの技術が実用化された影響が大きい。

リバースイノベーション Reverse Innovation

最初の商品企画を新興国向けに行い、その後、先進国向けに改めてパッケージングして低コスト品(決して低品質品ではい)として販売する手法である。

新興国向け製品であるから、低所得~中所得層をターゲットとするわけだから、極めて低価格で販売することが前提となる。そうであれば、先進諸国の高所得者層向け製品の通常の原価の数分の一にまで徹底したコストダウンを図る必要が生じる。

それと同時に、先進諸国の各種規制をパスできるだけの規格や品質・機能も満たしておく必要がある。

予め、低コストで高品質というアンビバレントな状況が強いられる過酷な市場競争を前提にした開発環境では、従来市場では発見が難しかったであろう新機軸の技術や活用方法、課題解決のアプローチやソリューションが生まれることも多い。

そうした厳しい環境ではぐくまれたブレークスルーは、先進諸国の顧客層に対しても高い価値を提供する製商品を生み出すことにつながる。

1960年代までの従来理論では、高所得国に所在する企業が、資金力と組織力に任せて可能な限り高められた研究開発力をフル活用して商品開発し、後に新興国・発展途上国市場へ向けて、グローカリゼーションを通じて提供されるというのが一般的であった。これを体現するものが、当時主流的であった製品ライフサイクル理論であった。

リバースイノベーションが誕生したのは1990年代で、かつて低所得国にカテゴライズされていた、インドや中国といった人口大国が多くの新興国と共に、魅力的な市場に変貌を遂げ始めた時期にあたる。

例えば、米GE社のポータブル心電図(BCG)は、標準的なラップトップPCにつないで利用できるものは、従来の専用ハードウェアによる超音波検査装置の10分の1程度の価格で中国やインドの顧客をターゲットに販売されたが、やがて、既存装置の低価格代替品として、欧米先進国でも爆発的に売れた。

また、EV車は、中国市場向けに低価格で提供されることを前提に開発され、いまや全世界市場を席巻するようになった。

低コスト高品質を両立するためには、機能をできるだけ絞り込む必要がある。機能数を絞り込み、かつ機能を単純化して、基本的な機能だけの提供する製品をフルーガル製品(簡素な製品)と呼ぶ。とくに、フルーガル製品を主軸に置いた製商品戦略のことを、フルーガル・イノベーションと呼ぶ。

リバースエンジニアリングの最初のターゲットとなる低所得者層向け市場を理解するコンセプトとして、BOP(Base of the Economic Pyramid)がある。そしてBOPに着目した理論が一躍有名になったのがビジャイ・ゴビンダラジャン著「リバース・イノベーション」においてである。

BOPビジネス

ビジネスモデル体系(概要)

ClassBlock説明
ターゲット
Target
ターゲット - ビジネスモデル体系
顧客セグメント
Customer Segments
顧客セグメント - ビジネスモデル体系
企業が関わろうとする顧客を明確にする
(顧客としないセグメントは無視する)
顧客との関係
Customer Relationships
顧客との関係 – ビジネスモデル体系
顧客獲得・顧客維持・販売拡大の3点について、
顧客とどのような関係を構築したいか
チャネル
Channels
チャネル(Channels) – ビジネスモデル体系
顧客セグメントとのコミュニケーションの方法
顧客セグメントに価値を届ける方法
バリュー
Value
バリュー - ビジネスモデル体系
価値提案
Value Propositions
価値提案 Value Propositions – ビジネスモデル体系
対象顧客に対して、企業が提供できるベネフィットの総体
顧客が必要とする製品とサービスの組み合わせ
ケイパビリティ
Capability
ケイパビリティ - ビジネスモデル体系
リソース
Key Resources
リソース(Key Resources) - ビジネスモデル体系
ビジネスモデルの実行に必要な経営資源の明確化
リソース獲得に必要な対価と収益の流れの相対的関係
主要活動
Key Activities
主要活動 - ビジネスモデル体系
価値提供するために欠かせない活動
製造・問題解決・プラットフォーム・ネットワーク
パートナー
Key Partners
パートナー(Key Partners) - ビジネスモデル体系
どのリソースをサプライヤーから得ているか
どの主要活動をパートナーが行っているか
収益モデル
Profit Models
収益モデル - ビジネスモデル体系
コスト構造
Cost Structure
コスト構造 Cost Structure – ビジネスモデル体系_v3
ビジネスモデルの運営にあたって発生する全てのコスト
収益の流れ
Revenue Streams
収益の流れ Revenue Streams – ビジネスモデル体系
企業が顧客セグメントから生み出すキャッシュフロー
顧客が支払いたいと思っている対象と望む支払方法

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