業種別かんたんシャープレシオ【2021年3月】に更新しました

アベイラビリティ契約 (Availability Based Contract) – ビジネスモデル体系

アベイラビリティ契約 Availability Based Contract

公共契約機関が、利用者に代わり、プロジェクトカンパニーに事業のアベイラビリティの対価を支払う。

PFI(Private Finance Initiative:プライベート・ファイナンス・イニシアティブ)事業において一般的な形態。

PFIとは、公共施設等の建設、維持管理、運営等を民間の資金、経営能力及び技術的能力を活用して行う新しい手法。

    1. 公共施設において公共契約機関がアベイラビリティ確保の対価を支払う
      • 学校
      • 病院
      • 刑務所
      • 公営住宅
      • 庁舎
    2. 交通インフラ・輸送システムの運営
      • 道路
      • トンネル
      • 橋梁
      • 車両
      • 信号

サービスフィー(Service Fee)

プロセスプラントとは異なり、固定費であるキャパシティチャージと、変動費であるエネルギーチャージに分割することは不適切で、施設のサービス提供の対価として一体的にコストが支払われるべき場合に用いられる。

サービスフィーの水準は、事業協定締結時に固定されるため、仮に施設運用の実コストが変動したとしても、サービスフィーは原則変わらないことが一般的である。

サービスフィーは固定費、特に資金調達コスト(デッドサービス、エクイティリターン)を含み、これと変動費(運営費、維持管理費など)を合計して算出される。

通常、サービスフィーの支払は、事業完成日をもって開始することが多い。

事業完成日:Service Commencement Date, Service Availability Date, Commercial Acceptance

アベイラビリティが確保できない期間や、提供サービスが要求される品質基準を満たさない場合、サービスフィーは減額される取り決めがなされていることが多い。

アウトプット仕様 (Output Specification)

アウトプット仕様は、「何を達成するべきか」を定めるもので、「どうやって達成するべきか」を指定するものではない。

事業施設が提供するサービスのアウトプット仕様は通常、次の2要素から構成される。

  1. 設計・建設
    • 学校・体育館などの公共施設は、部屋数や収容人数などの基本要件が定められる
    • 設計・建設にあたっての基本要件は、競争入札で選定される
    • 基本要件をどのように効率的にコストダウンして充足するかはプロジェクトカンパニーの役割である
    • 仮に設計に欠陥があり、建設後に修繕が必要な場合、プロジェクトカンパニーにはその瑕疵を解決する義務がある
  2. パフォーマンス/サービス
    • 事業協定は、メンテナンスの具体的な実施方法、セキュリティ、清掃、ケータリングなどの日常的サービスの調達方法を指定しない
    • これらは、パフォーマンス要件を充足するようにプロジェクトカンパニーが決定する

アベイラビリティは、サービス要件(Service Requirements)の基礎的かつ根幹的な部分に適用される。パフォーマンス測定は、アベイラビリティ要件でカバーされない点に対して適用される。

特定のサービスについて、より具体的な品質要件を定めたものを性能要件(Performnce Regime)という。

シャドウトール (Shadow Toll)

プロジェクトカンパニーがサービスの需要リスクを負担する契約で用いられる手法。

サービスの需要リスクはプロジェクトカンパニーが負担し、公共契約機関が利用者に代わってプロジェクトカンパニーに料金を支払う。

例として、有料道路として運用されるべき有料道路にかかる通行料金を、利用者(ひとりひとりのドライバー)に代わって公共契約機関が一括して支払うなど。

接続道路の配置などの理由で、料金を直接徴収するのにかえって手間がかかる、有料道路の利用を回避しようとするドライバーの増加により、代替路の交通が阻害される場合などに導入される。

対価として支払われるべきトール(料金)は、基本的に当該サービスの利用実績によって決定される。道路事業の場合は、自動車の利用台数や走行距離で測定されることになる。

支払額の決定ルールは、「段階的減額方式」が採用されることが多い。道路事業を例にとると、はじめの走行台キロ(第1バンド)は最高料率の料金、つぎの走行台キロ(第2バンド)は第1バンドより低い料率の料金、走行台キロが一定に達した場合、以降の利用については無料にするという考え方である。

段階的差別料金の決定要因は次にように設計する。

  • 第1バンド
    • 比較的利用リスクが小さく達成可能性が高い
    • この部分の利用料金はプロジェクトカンパニーの運営費用やデッドサービスに充当する
  • 第2バンド
    • 第1バンドの次に達成可能性が高い
    • 出資者への配当支払いに充当する
    • さらに、2つのバンド(基本配当とボーナス配当に分ける場合もある)
  • 第3バンド
    • 走行台キロがプロジェクトカンパニーの運営費、デッドサービス支払額、エクイティリターン(配当支払い)を賄うのに十分な水準に達した場合、それ以上の公共契約機関の支払義務は発生しないため、実質無料となる
    • なぜなら、これを超える利用に関する公共契約機関の限界費用はゼロになるからである

ビジネスモデル体系(概要)

ClassBlock説明
ターゲット
Target
顧客セグメント
Customer Segments
企業が関わろうとする顧客を明確にする
(顧客としないセグメントは無視する)
顧客との関係
Customer Relationships
顧客獲得・顧客維持・販売拡大の3点について、
顧客とどのような関係を構築したいか
チャネル
Channels
顧客セグメントとのコミュニケーションの方法
顧客セグメントに価値を届ける方法
バリュー
Value
価値提案
Value Propositions
対象顧客に対して、企業が提供できるベネフィットの総体
顧客が必要とする製品とサービスの組み合わせ
ケイパビリティ
Capability
リソース
Key Resources
ビジネスモデルの実行に必要な経営資源の明確化
リソース獲得に必要な対価と収益の流れの相対的関係
主要活動
Key Activities
価値提供するために欠かせない活動
製造・問題解決・プラットフォーム・ネットワーク
パートナー
Key Partners
どのリソースをサプライヤーから得ているか
どの主要活動をパートナーが行っているか
収益モデル
Profit Models
コスト構造
Cost Structure
ビジネスモデルの運営にあたって発生する全てのコスト
収益の流れ
Revenue Streams
企業が顧客セグメントから生み出すキャッシュフロー
顧客が支払いたいと思っている対象と望む支払方法

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